「田村の小論文講義1根底力養成篇 田村秀行 代々木ライブラリー
大学入試小論文の勉強におすすめです。
一巻の「根底力養成篇」は、テーマ型小論文の問題と文章題の要約問題が扱われています。
二巻の「応用力養成篇」では、実際の文章型の問題を扱っています。
残念ながら、どちらも現在は出版されていないので、手に入れたい方は古書で探して入手してください。
Amazonで調べてみると、第一巻は低料金でまだたくさんありました。
小論文が国公立大学の二次試験にあり、あまり対策ができていないという人は一巻を勉強してください。
ある程度小論文の勉強をしてきて書ける人は、二巻がおすすめです。
ここでは一巻の勉強の仕方を書きます。
「はしがき」と「本書の使用法」にあるように、問題(与えられた課題、テーマ)をまず自分で書いてみます。
次に、別綴じになった解答例を読み、本篇に戻って、著者の詳しい解説を読みます。
この解説をしっかりと読み、理解することが一番のポイントです。
途中に囲みで、
「『論文』なのだから、単に自分個人のことにとどまるような内容では失格である。」
「自ら提起した問題には明確な結論を与えて締めくくらなければならず、疑問形で終わるのは『論文』では最もいけない。」
といった注意点がたくさん掲載されています。
時間の無い人は、この囲みの内容だけでも一通り目を通しましょう。目次に「囲み事項索引」がつけられているので、大変使いやすいです。
国公立大学の小論文入試では、よく要約問題が出題されますが、この本ではその対策が詳しく解説されています。これは絶対におすすめです。
たとえば、要約の第一問の解説には、次のようなまとめの項目が載っています。
必要なところを残して、他を大きく切り捨てる思い切りが必要である。
数箇所を一つにまとめた表現を考えて字数を短くしなければならない。
本文の詳しい説明に代わる働きをする端的な接続詞を適宜用いて文意を明確にしなければならない。
長い表現も、工夫しだいで端的な表現に置き換えうる。
といった項目を確認するだけでも、要約問題に対処する方法が身につきます。
田村先生の問題集は、解説をじっくり読むことが求められます。
もし、この「小論文講義1」が難しく感じる人は、「やさしく語る小論文」を先に勉強することをおすすめします。
この本は、以前のブログ記事で紹介しています。参考にしてください。
http://bluesoyaji.hatenablog.com/entry/2017/02/04/180340
田村の小論文講義―代々木ゼミ方式 (1)
田村の小論文講義―代々木ゼミ方式 (2)