若い頃、よく読んだ藤原新也が東京大学の入学試験に出題されていたので、久しぶりに読んでみました。
2015年 東京大学 前期 文科
藤原新也 「ある風来猫の短い生涯について」
河合塾のサイトで読めます
http://kaisoku.kawai-juku.ac.jp/nyushi/honshi/15/t01.html
「東京漂流」を読み、その魅力に取り憑かれたように、藤原新也の本を読んでいました。
写真家であり、文筆家でもあった著者は、当時の私のあこがれの存在でした。
的確で、淡々とした描写なのに、なんとも言えないおどろおどろしいものが立ち上がってくる、そんな文章に魅了されました。
東大に出題された文章は、初めて読むものです。
病気の猫をめぐる話は、やはりかつてと同じ印象を受けました。
病気の猫が慈悲の心を与えてくれたという発想が、現代人にはわかりにくいものかもしれません。
出題者は、この文章を読ませることで、どんなねらいがあったのでしょうか。
若い頃、藤原新也をよく読んだ自分の気持ちを思い出しながら考えてみます。
読んだことのある本です。どれもお勧めです。
東京漂流 (朝日文庫)
コスモスの影にはいつも誰かが隠れている (河出文庫)
映し世のうしろ姿
丸亀日記
メメント・モリ