大学入学共通テストの国語記述式問題例が公表されました。
センター試験廃止後の新テストです。今の中3生から対象になります。
高校生や受験生の皆さんには関係のないテストかもしれません。
しかし、今後は、これを参考にした問題を各大学が出題してくる可能性があります。
どんな問題なのか見ておきましょう。
文科省が公表しているのは以下のリンクから。
http://www.dnc.ac.jp/albums/abm.php?f=abm00009385.pdf&n=記述式問題のモデル問題例.pdf
以下、紹介します。
なんだか、クラスで討論するみたいな題材ですね。「ちょっと小論文を複雑にして出題してみました」という印象を受けました。
政策学部、社会学部で取り上げそうな内容です。
わざわざ新テストとしなくても、今までの国公立大学の二次試験の小論文でいいんじゃないの?と思うのは、私だけでしょうか。
これを機械が採点するそうです。AIの波は身近に来ている!
大学の先生がたは、文科省の文系学部廃止の影響を受けて、兵糧攻めにあっているそうなので、採点要員に駆り出されることはないと思われます。
どこかの民間会社が採点を請け負うのでしょう。巨額の税金が動くのでしょうか。
そんなお金は、給付型奨学金の方に回してほしいものです。
さて、高校生、受験生の皆さんは、この問題と解答例を見てどう思いましたか?
簡単そうですか?難しそうですか?
率直に言って、現行の国公立大学の二次試験の記述問題の方が難しいでしょう。
二問目を紹介します。
法学部ですか?普通の高校生なら、絶対に読まないような文章です。いや、契約書です。私もほとんど読んだことのないタイプの文章です。
文科省は、実用的な文章を読み、考える力をつけさせたいというので、ここでは賃貸駐車場の契約書が選ばれています。
高校生や受験生の立場から考えると、ちょっとミスマッチかなと思います。
どうせなら、奨学金の契約書、アルバイトの契約書、雇用契約書などを例文として使ってほしいですね。
少しでも自分に関係のある題材でないと、いくら入試のためとはいえ、味気のない文章を読む気がしません。
いや、社会は実用的なものを読む力を求めている、と言われれば確かにそうでしょう。
この程度の文章がわからなくては、厳しいグローバル化に勝ち残れません。
しかし、iPhoneを発明したスティーブ・ジョブズが、大学を中退したあと、もぐりでカリグラフィーの授業を受け、その知識がのちのパソコンのフォントに役立ったという話があります。
学習が実用のみに偏ると、ジョブズのような発想のできる人材は、日本の教育からは生まれて来ないかもしれません。
AIでは採点できないような、人間の心情の機微を問う問題もぜひ出題してほしいものです。