11月の三連休初日、和歌山へ化石採集に行ってきました。
三連休とはいえ、三日目は仕事、二日目は家の用事で、初日のみが自由に使える日です。
そこで、関西圏内で日帰りできる場所を探すと、和歌山に化石産地があることがわかり、行ってみることにしました。
「るるぶドライブ関西ベストコース」を参考のため買いました。
YAHOOカーナビで検索すると、一番早いコースは、阪神間から大阪市内を高速で抜け、岸和田から170号線で山の中に入り、480号線で葛城山を越えて、かつらぎ町から高野山方面へ山の中に入るというものでした。
阪和道で高速道路を乗り継ぐコースもありますが、距離、料金とも増えるので、先のコースで行くことにしました。
ところが、湾岸高速を助松というところで下りて、地の道を走るとかなり時間がとられました。
山越えの後、かつらぎ町でナビの示す道が車一台がやっとの狭さの路地。ようやく抜けてホッとすると高野山方面に向かう車で大渋滞発生中。ナビはこの先4キロ渋滞と告げます。
山道なので迂回できず、そのまま1時間はのろのろが続きました。
行楽日に、高野山方面に向かう車が集中したのでしょう。
この段階で家を出て3時間たっています。
はじめから阪和道にすればよかったと後悔しました。
教訓は、「ナビを信じるな」「行楽日は、料金が高く距離の長いコースを選べ。結果はその方が早く着いてお得。」です。
さて、目的地に近づき、ナビの示す峠越えの道を行きます。
これが狭くてまるで林道みたいと思いました。徳島で林道は走り慣れているので、平気ですが、初めての人はおすすめできません。
ところどころ落石もあり、落ち葉や枝が重なっていて走りにくい道です。
しばらくは、くねくね曲がる道が続きます。
やっと目的地に着くと、家を出てから4時間が経過していました。4時間あれば、徳島なら往復できます。
やれやれと思い、早速、化石がとれる川を散策しました。
道から河原までかなり高さがあり、河原に下りられる場所が少なく、少し下ったところでやっと下りることができました。
ざっと見渡してみるとあちこちに黒い泥岩が落ちています。この石に化石が含まれています。しかし、表面を見ても化石らしきものはありません。
ハンマーで割ってみますが、何も出てきません。
ネットではいくらでも探せると書いてあったのになあと残念に思いながらも、数個それらしきものを集めました。
アンモナイトが見つかればいいなあと思いながら1時間ほど探しましたが、見つかりませんでした。
川沿いの道に車を止めてあったのですが、そこに道路補修の土が積んであり、地元の方がお一人、工事に来ました。
邪魔になってすみませんと謝ると、停めてていいよと許可をいただき、もうしばらく探しました。
今回はゴム長靴が役に立ちました。初出動の装備です。
靴底に鉄のピンが付いたもので、滑りにくいです。
河原で狭い流れを渡るのに大活躍です。ここの川は水深もなく、水量も多くないけれど、長靴がないと渡れません。
さて、半ばあきらめて工事の方と話していると、もう一人地元の方が来ました。あまり採れなかったというと、あの辺りに行ってみたらと場所を教えてくれました。
少し上流の示されたポイントに行って、対岸に渡ってみると、すぐに発見することができました。
イノセラムスという貝の印象化石です。中生代白亜紀の示準化石となっています。
泥岩の露頭があり、そこに50cmほどの幅の真っ白な岩脈がありました。まるで貫入しているかのような様子です。黒白の対比が見事で、白色の部分は粘土状になっていました。
写真を撮っていてふと手を置いた岩を見ると、巨大な何かが。
よく見ると見事な肋があって、イノセラムスの化石でした。
ウチワよりでかいです。こんな大きな化石は初めて見ました。
大きすぎて採集できません。写真を撮りました。
これに出会えただけでも今日は来た甲斐があったと満足して帰りました。
帰りは阪和道、湾岸高速を使って2時間半でした。
久しぶりに山の自然に触れ、日頃のストレスが消え去ったように思いました。