林道に車を進めると、左手に杉林が広がり、緩やかなカーブをいくつか越える。道幅がやや広く、車一台が停められるほどのところがあり、そこに駐車する。
すぐ脇の杉林に道から登る踏みわけ道がついている。足元を見ながら斜面を登るが何も見つからない。
引き返して反対方向に歩く。転がっている石を手に取ると、黒っぽい炭質の破片が入っていた。標本にするほどの石ではないのでもとに戻す。
いったん林道に下り、来た方向に少し戻ると、道が斜面側に広がった箇所に気づき、その上をのぞいてみると、黒い穴が開いている。
縦が1.5メートル、横が2メートル程度の入り口から見える中は、地面に何も落ちていなくて平らな様子。奥の見通しは利かないので、どのくらい続いているかは全くわからない。吸い込まれそうで怖いので、写真を撮るとすぐにその場を離れた。
しばらく踏みわけ道を行くと、緑色をした蛇がいて、踏みそうになって「うわっ」と声をあげた。久しぶりに山歩きで蛇に出くわしたので、動悸が高鳴った。遺伝子に蛇を嫌う要素が盛り込まれているらしい。
元の方向へ引き返しながら慎重に地面を見ると、いくつかの黒い固まりがあった。手に取ると石炭の欠片と思われたので、小さな物を数個拾った。貯炭跡は見つからず、他に抗口の跡のようなくぼみが何カ所かあった。
資料によると勝浦炭田と呼ばれた場所らしく、この近くにも数カ所、炭坑跡があるらしい。
他のところの探索は次回にしよう。
戦後まもなくまで採炭していた先人たちの苦労や労働の様子を想像しながら、自然との関わりの歴史を確かめることができ、うれしかった。
採集した石炭です。こぶしサイズ。
こちらは大きいもので5cm 樹木の化石という感じがします。黒い照りが美しい