失われた時を求めて Ⅰ 第一篇 スワン家の方へ 第一部 コンブレー その6
23段 スワンを送ったあとの家族の会話 スワンのうわさ話
母に廊下でおやすみのキスの要求をする
感想
・ここで気づいたのは、家族の会話は三人称の視点で描かれたのに対し、一人称に切り替わっている点。見落としそうだが、それだけ作者の語りが巧妙だということか。
・2階の部屋で一人いる私は階下の家族の会話を知ることはできないし、二階に上がってきた母と私のやりとりは私の視点に切り替わっている。
・いわゆる神の視点であれば、家族の会話を描いたあと、2階の場面では私ではなく、「彼」はとならなければならない。
24段 父が母に息子の部屋で寝てやるように勧める
25段 現在の時間から父を回想する
・ここは挿入部分であり、急な時間の変化に注意
26段 父と母や祖母の、私に対する愛情の性質の違い
母への複雑な思い、祖母からのプレゼントの本について
27段 祖母の美的価値について 写真と版画、古い家具、サンドの小説
28段 母の朗読の特徴
29段 二度と繰り返されないこの暁の嬉しさ
感想
・熱望した母へのおやすみのキッスの機会が得られただけでなく、一晩、母と一緒に過ごせる状況を私は「嬉しくなかった」と語る。私の複雑な心情の把握が必要。
