失われた時を求めて Ⅰ 第一篇 スワン家の方へ 第一部 コンブレー その22
178段 文筆の素養がないこと、有名な作家になる望みを諦めること、無念、1つの形や匂いに包まれた未知なるものにとらわれる、特別な快感
・ここにも作家プルーストの本質が伺える、要注目
179段 マルタンヴィルの二つの鐘塔を照らす夕日
180段 鐘塔を見て覚えた快感
181段 鉛筆と紙を借り、短文を書きつける、三つの鐘塔は三つの花、伝説の三人の少女
182段 ゲルマントの方の散歩の幸福、家に帰ると夕食後に母が来てくれない不安に駆られ、死にたい思い
183段 メゼグリーズの方とゲルマントの方の風景は、夢見る一少年のおかげで生き延びる、この二つの方角によって知った物や人が、今なお私に喜びを与える唯一のもの
・ 一巻の内容を総括する記述。タイトルの「失われた時を求めて」の意味を解説している
・母への思い
184段 現在の私の思い、コンブレー時代のことを一杯の紅茶によって思い出す
185段 朝の窓からの光が、暗闇で再建していた住居を消し去る
感想
・第一巻を読み終えて考えていることを記録として書く
・ 一巻の全体像はぼんやりとつかめたが、細部で理解できなかった点が度々あった
・その原因は、自分のフランスの文化全般への理解度の不足もあるが、主には文章がしっくり来なかったことである
・翻訳文には、原文のニュアンスに忠実に訳すものと、日本語として伝わりやすく、言い換えもするものとの二タイプがあると思う
・この鈴木道彦訳はおそらく前者であり、原文に忠実に訳されているのだろう
・私はフランス語の知識もなく、原典をフランス語で読んだこともないので憶測になってしまうが、日本語として内容が伝わってこない箇所に出くわすと読みが止まってしまった
・正直に言うと、読むのが大変難しかった。このブログ記事を書いていなければ、おそらく読書を中断し、長編小説の読了という目標も捨てていただろう
・原文に忠実な訳を第一とするよりも、翻訳として読む以上は、日本語としてちゃんと伝わることを優先するのが大事なのではないだろうか

