転がった石をひっくり返したら、探し続けていたアンモナイトが出てきた話
化石採集をしていると、「今日も何も見つからないかもしれない」と思いながら、それでも石を割り続ける日がよくあります。今回紹介するのは、そんな日々の中で、ようやく自分の力で見つけることができたアンモナイト化石の記録です。
発見までの経緯
2019年3月末、実家のある徳島県に帰省したときのことです。いつも通っている白亜紀の地層がある産地に、化石採集に出かけました。
この日は少し特別でした。化石にとても詳しい方と話す機会があり、この産地でアンモナイトが見つかりやすいポイントを教えてもらっていたのです。いつもは一人でネットの情報を頼りに山に入っていたので、経験者からの助言はとてもありがたいものでした。
教わった通りに、いつもより谷の手前側を探してみました。小さな沢を登っているときにアンモナイトの破片を見つけましたが、雨が降り始めたため沢を降り、周辺に転がっている石(転石)を探すことにしました。
石を割り続けて疲れてきたころ、何気なくひっくり返した転石の裏に、探し続けていたアンモナイトがついていました。

何度もこの産地に通っていながら見つけられずにいたので、驚きよりも先にほっとした気持ちが大きかったのを覚えています。


その後は雨脚が強くなったため採集を切り上げ、近くの上勝町へ桜を見に行きました。

標本データ
- 産地:徳島県(普段から通っている白亜紀の地層がある産地)
- 分類・化石名:アンモナイト。のちに周囲の岩を削って大きさが分かるようにクリーニングしたところ、直径10cm前後の個体であることが判明。図鑑の写真と見比べた結果、「シュードハプロセラス・ジャポニカム」という種に近い姿をしている(専門家に鑑定してもらったわけではないので、確定ではありません)
- 時代:中生代白亜紀のバレミアンという時代(今からおよそ1億3000万年前)
- 入手時期・経緯:2019年3月末、徳島への帰省時に採集。経験者に教わったポイントを参考に、転石をひっくり返して発見
- 気に入っているポイント:何度も同じ産地に通いながら見つけられずにいた分、発見できたときの安心感とうれしさが大きかった。1億3000万年前の生き物と対面できたという時間の隔たりも、化石採集ならではの魅力だと感じる
あると便利な装備品
初めてのアンモナイト発見のような場面でも役立つ、化石採集の基本装備を紹介します。
- 地質用ハンマー・タガネ:転石を割って中の化石を確認するために必須の道具
- 軍手・皮手袋:岩の破片やとがった部分でけがをしないために着用
- 保護メガネ(ゴーグル):石を割るときに飛ぶ破片から目を守る
- レインウェア:山中で急に雨が降ることも多いため、上下セパレートタイプがあると安心
- ルーペ(拡大鏡):見つけた化石の細部や、種類を見分けるときに便利
- 図鑑・専門書:見つけた化石の種類や時代を調べるための参考書
おわりに
化石採集は、地道に石を割り続ける時間がほとんどで、何も見つからない日も少なくありません。それでも、経験者に教わったポイントを頼りに探し続けた末、転石をひっくり返した瞬間にアンモナイトが姿を現したときの気持ちは、今でもよく覚えています。1億3000万年前の生き物に、自分の手で初めて出会えた瞬間でした。これから化石採集を始めてみたい方も、まずは詳しい人にポイントを聞いてみることをおすすめします。



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