「才能」が見つからないまま大人になってしまった君へ 神岡真司 ワニブックス
日頃、教育関係の仕事で、大勢の生徒に接しています。
彼らの「才能」は何なのか、その見つけ方や伸ばし方はどうすればいいのか、考えています。
本書のまえがきで著者は、「自分の才能を見つけ爆発させればあなたの人生は劇的に変わる」と述べています。さらに、
「才能を発揮して、楽しい人生にするだけでなく、できれば才能は“爆発させて”、大きな収益とバラ色の人生を得ていただきたい」とあります。
これまでの「いい大学に入る」「いい会社に就職する」という価値観では、変化の激しい現代には満足した人生を送ることは難しいでしょう。
本書の目次を紹介します。
1章 あなたの人生がツマラナイのは才能を爆発させていないから
2章 才能を今すぐ見つける
3章 才能を爆発させる!
各章にそれぞれ13,15,30項目あります。
1項目につき見開きで2ページ(実質4ページ)の説明があり、最後のページには、まとめと著名人のひとことが引用されています。これがおもしろい。
1章の1 多くの人は自分の「才能」に気づいていない を簡単に紹介します。
「才能」とは
・大多数と違うことが「個性」で、その「個性」の中でも周囲が「いいね!」「すごいね!」と価値を認めてくれるもののことを「才能」と呼びます。
「才能はすぐにわかるとは限らない」
・よくあるのは、自分としては才能と思っていなかったことが実は才能だったケースです。
・もう一つ、よくあるのは、ひとつひとつのスキルや性格、感性などは目立たないものでも、それらが組み合わさった時に、才能に転じるケースです。
「才能の芽」は“あなたの芝の中”にある
・人は「自分の持っていないもの」に対して過敏に反応しやすいからです。いわゆる「隣の芝が青く見える」現象です。隣の芝を見て、自分の至らなさを痛感し、それを発奮材料にできるなら問題ないのですが、それができる人は少数派です。
・隣の芝ではなく、自分の芝を注意深く観察してみてほしいのです。
マイケル・ジャクソンの言葉
・みんな自分の才能を疑いすぎるのです。自分を疑っていては最善は尽くせません。自分が信じなかったら、誰が自分を信じるのでしょうか。
世間で活躍する人を見て、「天才だから」とか「恵まれた人だ」とか決めつけがちですが、まずは自分をしっかりと見つめよということです。
本書では、成功した人の具体例が豊富に紹介されており、読者のやる気をかき立ててくれます。
ただ、一つだけ気になる例が…
3章9“火中の栗を拾って”才能を爆発させる の項で、日産自動車元会長カルロス・ゴーン氏が紹介されています。
本書の出版が2017年9月となっており、あの事件が発生したのが2018年なので仕方ないですね。
改訂の場合には差し替えでしょう。
それはそれとして、わたしのようなおっさんでも、いまから自分の才能を見つけて発揮してみたいと、やる気が起こりました。
著者の思いが多くの世代の読者に届いてほしいと思いました。