bluesoyaji’s blog

大学入試問題の分析、国語の勉強方法、受験勉強、化石採集、鉱物採集、文学、読書、音楽などについて書いています。少しでも高校生や受験生のみなさん、シニア世代で定年後の趣味をお探しのみなさんのお役に立てばうれしいです。

読書感想

現実主義と無常感の両立へ 21世紀の感染症と文明 山崎正和 を読んで考えた

現実主義と無常感の両立へ 21世紀の感染症と文明 山崎正和 を読んで考えた 第4章 最終章です。 現実主義と無常感の両立へ 23日本人の美徳が国難に勝ち、無事に最終局面を迎えられるかはわからない。コロナの後に、どんな世界を残さねばならないかが課題で…

半世紀の公徳心向上の成果 21世紀の感染症と文明 山崎正和 を読んで考えた

21世紀の感染症と文明 山崎正和 を読んで考えた 第3章です。 半世紀の公徳心向上の成果 18「緊急事態宣言」後の日本人は、外出自粛や自主休業など、その自制心は特記に値する。企業の在宅勤務や零細自営業者の休業も自ら行われている。 19日本人の良識と…

当面の恐怖と不安の特殊性  21世紀の感染症と文明 山崎正和 を読んで考えた

21世紀の感染症と文明 山崎正和 を読んで考えた 続きです。今回は第2章にあたります。 当面の恐怖と不安の特殊性 8感染症は見えない敵のため、不安は倍加する。9そのうえ、恐怖がいつまで続くか、先行きが見えないため焦燥を煽る。スペイン風邪は三波に…

21世紀の感染症と文明 山崎正和 中央公論ダイジェスト コロナ・文明・日本 を読んで考えた   

21世紀の感染症と文明 山崎正和 中央公論ダイジェスト コロナ・文明・日本 を読んで考えた 中央公論7月号に掲載された山崎正和先生によるコロナの論考を読みました。 コロナに対するとらえ方が、大変参考になったので、自分の勉強のためと、みなさんへの…

谷崎潤一郎の名作「吉野葛」に学ぶ 小説の描写 

谷崎潤一郎「吉野葛」にある柿の描写が好きなので、その魅力を考えてみました。 次の三点についてみていきましょう。 比喩が美しい 一文の長さが心地よい 感覚に訴える描き方がエモい その三 初音の鼓 ずくしは蓋し熟柿であろう。空の火入れは煙草の吸い殻を…

「失われた時を求めて」を読破したい 中年おやじの願いを叶えるためには

プルーストの「失われた時を求めて」は、二〇世紀を代表する傑作として名高い小説です。 死ぬまでにはぜひ読了したいと長年思ってきました。 現在手に入りやすい翻訳は3種類あります。 そこでどの訳が読みやすいかをくらべてみました。 ちくま文庫 井上究一…

メアリー・アニング イギリスの化石採集家 古生物学者 Mary Anning その人生を洋書で読んでみた

メアリー・アニングは、女性の化石採集家で、古生物学者でもある人です。 日本ではあまり知られていない人ですが、化石の研究に非常に大きな業績を残しました。 英語の学び直しをかねて、洋書でその人生を調べてみました。 学生時代以来の英語なので、なかな…

「才能の見つけ方 天才の育て方 アメリカ ギフテッド教育最先端に学ぶ」石角友愛 文藝春秋 からギフテッド・チルドレンについて考えてみた 学校がなじみにくい人へ

// 小学生のころ戯れに行った絵画教室で、同年代の生徒が描いた絵を指導という名目でズケズケと塗りつぶしながら修正した教師をそばで見ていた。その時の「こんな悪人が世にいるのか」と思った記憶が今なお人格の一部として機能してる実感がある。 — 米津玄…

著者の熱量が半端なく高く、読者は感染すること間違いない。「宇宙を目指して海を渡る」 小野雅裕 東洋経済新報社 を読んで考えた

// 「宇宙を目指して海を渡る」 小野雅裕 東洋経済新報社 を読んで考えた 夢を持つこと、夢に向かって努力し続けることの大切さを教えてくれた。 著者の熱量が半端なく高く、読者は感染すること間違いない。 おっさんの私でも、やる気が湧いてきた。若いみな…

「勉強の哲学 来たるべきバカのために」千葉雅也 文藝春秋 が学び直しのきっかけになりました シニア世代にもおすすめ #勉強の哲学 #千葉雅也 #読書感想 #学び直し

// 「勉強の哲学 来たるべきバカのために」千葉雅也 文藝春秋 たいへん参考になったので、紹介を兼ねて感想を書きます。 おもしろく読み終えました。しかし、一部難解で私の頭では理解できなかったところもありました。印象に残った箇所を引用します。 ツッ…

「失われた時を求めて」どの訳が読みやすいかをくらべてみました 長編小説の読了に挑戦

// 「失われた時を求めて」 1スワン家のほうへ Ⅰ吉川一義訳 岩波文庫 長いこと私は早めに寝(やす)むことにしていた。ときにはロウソクを消すとすぐに目がふさがり、「眠るんだ」と思う間もないことがあった。ところが三十分もすると、眠らなくてはという想…

買ったのに読み切れない長編小説ベスト3

// 買ったのに読み切れない長編小説ベスト3 1「失われた時を求めて」プルースト これは高遠弘美訳の光文社古典新訳文庫 有名な小説なので、必読だろうと購入したが、第1巻「スワン家のほうへ」最初のあたりで挫折したまま。別の訳の岩波文庫版も購入して…

「永訣の朝」のリアルな情景が描かれた回想録 賢治の妹が見た賢治の姿

// 宮沢賢治の妹シゲが賢治を描いた回想録を残していたそうです。 本日(2017年12月1日)の読売新聞に記事が出ていました。 賢治と言えば、「永訣の朝」。 高校の現代文の教科書では定番の教材です。 全国の高校生数十万人が読んでいるはず。 これを授業でや…

大岡昇平「現代小説作法」第十二章「人物について」 これから小説を書いてみたい人に

// 第十二章「人物について」 大岡昇平「現代小説作法」より、これから小説を書いていみたい人に参考になるところを取り上げます。 主人公と副人物とは、決して同じようには描かれていません。この点については、これまでもたびたび授けをかりたフォースター…

これから小説を書いてみたい人に 大岡昇平「現代小説作法」ちくま学芸文庫がおすすめ 第六章 「プロットについて」を読んで考えた

// 「現代小説作法」第六章 「プロットについて」 私は、小説は筋があるものが好みなので、プロットという語に惹かれて読みました。まずはプロットの説明です。 プロットは普通「筋」と訳され、ストオリーと混同されがちですが、実ははっきりした区別があり…

kindle paperwhiteを購入して10ヶ月 使ってみてのメリット、デメリットと内田樹先生「活字中毒者は電子書籍で本を読むか?」宮城教育大学入試問題を読んで考えたこと

// 2017年 宮城教育大学 入試問題「活字中毒者は電子書籍で本を読むか?」内田 樹 宮城教育大学の入試問題で、内田達樹先生の電子書籍に対する意見が出題されていたので、読んでみました。以下は要点のまとめです。 電子書籍の出現によって紙の本の命脈…

衝撃的過ぎる!?『「文系学部廃止」の衝撃』が大阪大学と法政大学の入試問題で被り過ぎ

// 以前に、大阪大学の入試問題を取り上げました。 www.bluesoyaji.com 出典の『「文系学部廃止」の衝撃』が2017年の法政大学の入試問題でも出題されていました。 今回は、二校の問題を比較して気づいたことを報告します。 驚きその1 引用箇所がほとん…

これから小説を書いてみたい人に 大岡昇平「現代小説作法」ちくま学芸文庫がおすすめ 続きです。国士舘大学の入試問題でも出題されていました。

// 前回、大岡昇平の「現代小説作法」ちくま学芸文庫を紹介しました。 今回も、続いて紹介します。武庫川女子大学の他に、2017年の国士舘大学でも出題されていたのを見つけたからです。 国士舘大学では、「現代小説作法」の第二十二章 「文体について」…

これから小説を書いてみたい人に 大岡昇平「現代小説作法」ちくま学芸文庫がおすすめ

// 「現代小説作法」大岡昇平 ちくま学芸文庫 25章まであり、たとえば、16章は「モデルについて」。実践的な内容が、語り口調で書かれています。 この本を知ったきっかけは、大学入試問題です。 武庫川女子大学の推薦入試問題で、この16章「モデルにつ…

「三つの石で地球がわかる」藤岡換太郎 ブルーバックス 講談社を読書中

// 「三つの石で地球がわかる」藤岡換太郎 ブルーバックス 講談社を読書中 橄欖岩について、大変興味深く読みました。 北海道にアポイ岳という地学的に大変興味深い場所があることを知りました。 アポイ岳の橄欖岩は、ほとんど変質せずに地表に露出していま…

大西巨人 闘争する秘密 石橋正孝 左右社を読んで考えた 「神聖喜劇」の漫画版と若い読者について

// 大西巨人 闘争する秘密 石橋正孝 左右社 を読んで、「神聖喜劇」の漫画版と若い読者について考えてみました。 第一部 初期 第一章「走る男」あるいは<孤独>の軌道 「神聖喜劇」の漫画版が、2006年に上梓され、2008年には、NHKが「神聖喜劇ふた…

「石ふしぎ大発見展 第23回大阪ショー」の「宮沢賢治の鉱物・元素の世界」桜井弘先生の講演に触発されました

// 以前の記事に、「石ふしぎ大発見展 第23回大阪ショー」の「宮沢賢治の鉱物・元素の世界」桜井弘先生の講演の感想を書きました。 bluesoyaji.hatenablog.com その講演の内容がとても面白かったので、私も触発されて、宮沢賢治の作品の中から、岩石、鉱物、…

DIYに挑戦 水道栓のパッキン交換を自分でやってみた

// ビッグイシュー301号のワンダフルライフの記事で、「サバイバル登山家」服部文祥さんが紹介されています。心に響いた言葉を引用します。 「町でも山でも、お金を払えばだいたいのことは解決できるのが今の社会。だけど、そうやって『お客さん』でいる…

話題のマンガ「うつヌケ」の作者がうつから抜け出すきっかけになった本  自分の「うつ」を治した精神科医の方法 を読んでみました

// 自分の「うつ」を治した精神科医の方法 宮島賢也 KAWADE夢新書 「うつヌケ」が大変興味深い内容だったので、その中で紹介されていたこの本を読んでみました。 参考になる点が多くありました。 いくつかを紹介します。 三章僕は「考え方」を変えてうつを克…

古典三千冊の読書で初めて文学について発言できる

// 大西巨人 「いつもそばに、本が」 朝日新聞 2001年2月4日 4月から転勤で、荷物の整理をしていると、クリアファイルに挟まれて新聞記事のコピーが3枚出てきた。 1枚目は、大西巨人の横顔写真と「古典千冊3回読め」と菊池寛 という見出し。 記事…

気になった言葉 「滅びるね」「はっきり言うのは、駄目なんです」最近の読書より

// 青空文庫 『三四郎』夏目漱石 http://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/794_14946.html ―あなたは東京がはじめてなら、まだ富士山を見たことがないでしょう。今に見えるから御覧なさい。あれが日本一の名物だ。あれよりほかに自慢するものは何もない…

『生き心地の良い町』岡 檀著 講談社を読んで考えた

// 『生き心地の良い町』岡檀 講談社 本日、読了しました。偶然、こんなニュースを目にして、考えることがあり、書いておきます。 成人の4人に1人が自殺を考えたことがあることが、厚生労働省の調査で分かった。21日に発表された意識調査で、過去に実施…

国公立大学二次試験 東京大学 藤原新也 「ある風来猫の短い生涯について」2015年 大学入試 前期 文科

// 若い頃、よく読んだ藤原新也が東京大学の入学試験に出題されていたので、久しぶりに読んでみました。 2015年 東京大学 前期 文科 藤原新也 「ある風来猫の短い生涯について」 河合塾のサイトで読めます http://kaisoku.kawai-juku.ac.jp/nyushi/honshi/15…

サン=テグジュペリの最期について書かれた本 「星の王子さまが眠る海」を紹介します

// 国立大学の医学部入試にも出題された「夜間飛行」 その作者のサン=テグジュペリは、第二次世界大戦中の1944年7月31日、偵察機で任務に出撃し、帰りませんでした。 その死は謎のままで、ドイツ軍の戦闘機に撃墜された、故障のため墜落した、急病のせいだな…

国公立大学二次試験 山形大学医学部 2015年 大学入試問題 「夜間飛行」サン=テグジュペリ

// サン=テグジュペリの「夜間飛行」は、1931年にパリで出版された小説である。 山形大学医学部の2015年大学入試 国語の問題で「夜間飛行」が出題されたので、考えてみた。 なお、問題文は、新潮文庫 堀口大学訳の文章。おそらく著作権の関係でネットに…