読書感想
わたしの解放ガイド OCO(オコ)著 ワニブックス 最近読んだ心理学やセラピー系の本の中では一番、自分に合っていると思いました。 そこで備忘録として、こころに響いた箇所を一部抜き出します。 気になった人は、ぜひ本書を購入して、読んでみることをおす…
わたしが「わたし」を助けに行こう 自分を救う心理学 橋本翔太 サンマーク出版 購入のきっかけ ・タイトルの「『わたし』を助けに」ということばに引かれて購入。 読み始めの印象は ・ソフトな語り口調で、すらすら読めます。 ・若い女性がモデルのイラスト…
「紙の動物園」ケン・リュウ ハヤカワ文庫 電車の中で読まないでください 涙が止まらなくなるからヒューゴー賞・ネビュラ賞・世界幻想文学大賞 3冠に輝いた「紙の動物園」胸を打ち心を揺さぶる短編集と文庫の帯に書いてあります。 また大げさなコピーだと思…
「凡人が天才に勝つ方法」つんく 東洋経済新報社 日頃、高校生に接している私は、彼らの才能の見つけ方、伸ばし方に興味があり、参考になる本を探しています。また、自分自身が還暦を過ぎても、眠っている才能?を探して伸ばしたいと思っています。そこで出…
岡本太郎「自分の中に毒を持て」を読んで、印象に残ったことを書きます。 動画サイトで、この本が勧められていたので、読んでみました。 万博に行ったのは、私が小学校の時。もう五十年前もなのに、太陽の塔の目からライトの光線が二本、夜空を切り裂くよう…
長編小説で読了が難しい作品と言えば、「失われた時を求めて」ですが、我が国の傑作古典「源氏物語」も読了が難しいです。 www.bluesoyaji.com 長年、国語教師をしていますが、何度も読了に挑戦したものの、できませんでした。 そこで考えたのが、現代語訳な…
プルーストの「失われた時を求めて」の読書がはかどらないので、集英社から出ている抄訳版で読んでみようと思いつきました。 改めてこの長編小説の読書に挑戦しています。 まずは、有名なマドレーヌの場面に行きついたので、じっくり読んでみました。 集英社…
現実主義と無常感の両立へ 21世紀の感染症と文明 山崎正和 を読んで考えた 第4章 最終章です。 現実主義と無常感の両立へ 23日本人の美徳が国難に勝ち、無事に最終局面を迎えられるかはわからない。コロナの後に、どんな世界を残さねばならないかが課題で…
21世紀の感染症と文明 山崎正和 を読んで考えた 第3章です。 半世紀の公徳心向上の成果 18「緊急事態宣言」後の日本人は、外出自粛や自主休業など、その自制心は特記に値する。企業の在宅勤務や零細自営業者の休業も自ら行われている。 19日本人の良識と…
21世紀の感染症と文明 山崎正和 を読んで考えた 続きです。今回は第2章にあたります。 当面の恐怖と不安の特殊性 8感染症は見えない敵のため、不安は倍加する。9そのうえ、恐怖がいつまで続くか、先行きが見えないため焦燥を煽る。スペイン風邪は三波に…
21世紀の感染症と文明 山崎正和 中央公論ダイジェスト コロナ・文明・日本 を読んで考えた 中央公論7月号に掲載された山崎正和先生によるコロナの論考を読みました。 コロナに対するとらえ方が、大変参考になったので、自分の勉強のためと、みなさんへの…
谷崎潤一郎「吉野葛」にある柿の描写が好きなので、その魅力を考えてみました。 次の三点についてみていきましょう。 比喩が美しい 一文の長さが心地よい 感覚に訴える描き方がエモい その三 初音の鼓 ずくしは蓋し熟柿であろう。空の火入れは煙草の吸い殻を…
プルーストの「失われた時を求めて」は、二〇世紀を代表する傑作として名高い小説です。 死ぬまでにはぜひ読了したいと長年思ってきました。 現在手に入りやすい翻訳は3種類あります。 そこでどの訳が読みやすいかをくらべてみました。 ちくま文庫 井上究一…
メアリー・アニングは、女性の化石採集家で、古生物学者でもある人です。 日本ではあまり知られていない人ですが、化石の研究に非常に大きな業績を残しました。 英語の学び直しをかねて、洋書でその人生を調べてみました。 学生時代以来の英語なので、なかな…
// 小学生のころ戯れに行った絵画教室で、同年代の生徒が描いた絵を指導という名目でズケズケと塗りつぶしながら修正した教師をそばで見ていた。その時の「こんな悪人が世にいるのか」と思った記憶が今なお人格の一部として機能してる実感がある。 — 米津玄…
// 「宇宙を目指して海を渡る」 小野雅裕 東洋経済新報社 を読んで考えた 夢を持つこと、夢に向かって努力し続けることの大切さを教えてくれた。 著者の熱量が半端なく高く、読者は感染すること間違いない。 おっさんの私でも、やる気が湧いてきた。若いみな…
// 「勉強の哲学 来たるべきバカのために」千葉雅也 文藝春秋 たいへん参考になったので、紹介を兼ねて感想を書きます。 おもしろく読み終えました。しかし、一部難解で私の頭では理解できなかったところもありました。印象に残った箇所を引用します。 ツッ…
最新の記事はこちらです。 www.bluesoyaji.com // 「失われた時を求めて」 1スワン家のほうへ Ⅰ吉川一義訳 岩波文庫 長いこと私は早めに寝(やす)むことにしていた。ときにはロウソクを消すとすぐに目がふさがり、「眠るんだ」と思う間もないことがあった。…
// 買ったのに読み切れない長編小説ベスト3 1「失われた時を求めて」プルースト これは高遠弘美訳の光文社古典新訳文庫 有名な小説なので、必読だろうと購入したが、第1巻「スワン家のほうへ」最初のあたりで挫折したまま。別の訳の岩波文庫版も購入して…
// 宮沢賢治の妹シゲが賢治を描いた回想録を残していたそうです。 本日(2017年12月1日)の読売新聞に記事が出ていました。 賢治と言えば、「永訣の朝」。 高校の現代文の教科書では定番の教材です。 全国の高校生数十万人が読んでいるはず。 これを授業でや…
// 第十二章「人物について」 大岡昇平「現代小説作法」より、これから小説を書いていみたい人に参考になるところを取り上げます。 主人公と副人物とは、決して同じようには描かれていません。この点については、これまでもたびたび授けをかりたフォースター…
// 「現代小説作法」第六章 「プロットについて」 私は、小説は筋があるものが好みなので、プロットという語に惹かれて読みました。まずはプロットの説明です。 プロットは普通「筋」と訳され、ストオリーと混同されがちですが、実ははっきりした区別があり…
// 2017年 宮城教育大学 入試問題「活字中毒者は電子書籍で本を読むか?」内田 樹 宮城教育大学の入試問題で、内田達樹先生の電子書籍に対する意見が出題されていたので、読んでみました。以下は要点のまとめです。 電子書籍の出現によって紙の本の命脈…
// 以前に、大阪大学の入試問題を取り上げました。 www.bluesoyaji.com 出典の『「文系学部廃止」の衝撃』が2017年の法政大学の入試問題でも出題されていました。 今回は、二校の問題を比較して気づいたことを報告します。 驚きその1 引用箇所がほとん…
// 前回、大岡昇平の「現代小説作法」ちくま学芸文庫を紹介しました。 今回も、続いて紹介します。武庫川女子大学の他に、2017年の国士舘大学でも出題されていたのを見つけたからです。 国士舘大学では、「現代小説作法」の第二十二章 「文体について」…
// 「現代小説作法」大岡昇平 ちくま学芸文庫 25章まであり、たとえば、16章は「モデルについて」。実践的な内容が、語り口調で書かれています。 この本を知ったきっかけは、大学入試問題です。 武庫川女子大学の推薦入試問題で、この16章「モデルにつ…
// 「三つの石で地球がわかる」藤岡換太郎 ブルーバックス 講談社を読書中 橄欖岩について、大変興味深く読みました。 北海道にアポイ岳という地学的に大変興味深い場所があることを知りました。 アポイ岳の橄欖岩は、ほとんど変質せずに地表に露出していま…
// 大西巨人 闘争する秘密 石橋正孝 左右社 を読んで、「神聖喜劇」の漫画版と若い読者について考えてみました。 第一部 初期 第一章「走る男」あるいは<孤独>の軌道 「神聖喜劇」の漫画版が、2006年に上梓され、2008年には、NHKが「神聖喜劇ふた…
// 以前の記事に、「石ふしぎ大発見展 第23回大阪ショー」の「宮沢賢治の鉱物・元素の世界」桜井弘先生の講演の感想を書きました。 bluesoyaji.hatenablog.com その講演の内容がとても面白かったので、私も触発されて、宮沢賢治の作品の中から、岩石、鉱物、…
// ビッグイシュー301号のワンダフルライフの記事で、「サバイバル登山家」服部文祥さんが紹介されています。心に響いた言葉を引用します。 「町でも山でも、お金を払えばだいたいのことは解決できるのが今の社会。だけど、そうやって『お客さん』でいる…