「宇宙を目指して海を渡る」 小野雅裕 東洋経済新報社 を読んで考えた
夢を持つこと、夢に向かって努力し続けることの大切さを教えてくれた。
著者の熱量が半端なく高く、読者は感染すること間違いない。
おっさんの私でも、やる気が湧いてきた。若いみなさんにはぜひお薦めします。
印象に残った部分を引用します。
p128
ドラッカーが十三歳の頃に教師に投げかけられたという、この言葉を思い出してほしい。「あなたは何によって記憶されたいか。いま答えられなくてもいい。でも、五十歳になっても答えられなければ、あなたは人生を無駄にしたことになる」
p155
「人が旅をするのは目的地に到達するためではなく、旅をするためである」*ゲーテの言葉
p156
そしておそらくあなたは、ゲーテが先の言葉で人生を旅に例えていることに気づかれたと思う。決して失敗しない人生を送るために、高校時代を大学受験のために過ごし、大学時代を就職活動のために過ごし、就職したら安心した老後を送るための貯金を作ることにいそしんで、その先にある「目的地」とはいったい何だろう?死だ。死でしかないではないか!だから、かのゲーテの言葉はこう言い換えることができよう。「人が生きるのは死ぬためではなく、生きるためである」と。p157
「PKを外すことができるのは、PKを蹴る勇気を持ったものだけだ」*ロベルト・バッジョ
p159
「何にも失敗しないためには、死んだように及び腰になって生きるしかありません。しかしそんな人生は、元から失敗です」*J・K・ローリング
p191
そう、人生における夢の役割とは、航海における灯台の光のようなものなのだ。叶うことも叶わないこともあろうが、それよりももっと本質的なのは、進み続けることだ。人生の荒波や暗闇の中、針路を定めるために必要なのが、夢という灯台の光なのだ。
p192
夢とは渇望だ。たとえば、あなたが砂漠で迷い、灼熱の中、三日間一滴も水を飲めなかった状態を想像してほしい。あなたは心の底からコップ一杯の水を欲しがるだろう。それが夢だ。夢とは生理的に渇望するものだ。断たれた時に死ぬほどの苦痛を覚えるものだ。
*~は、私が注として記入したものです。
著者の能力や受けてきた教育のレベルの高さは言うまでもないが、なによりも「宇宙」を目指すその夢への思いの強さに圧倒される。
著者のような人は特別な存在で、私ら凡人は、とても及ばないし、参考にならない、と思いがちだが、そうではない。
読み進めるうちに、ああ自分も夢を実現したい、と思えるようになってくる。
うずうずしてくる。がんばれそうな気がしてくる。勇気とやる気を与えてくれる本だ。
こんな本は珍しいと思う。
第4章の国語力に関する意見も国語教師として大賛成だ。
若いみなさんもそうだが、自分の人生を生き切れていないなと感じるすべての大人にお薦めします。