読書
「才能」が見つからないまま大人になってしまった君へ 神岡真司 ワニブックス 日頃、教育関係の仕事で、大勢の生徒に接しています。 彼らの「才能」は何なのか、その見つけ方や伸ばし方はどうすればいいのか、考えています。 本書のまえがきで著者は、「自分…
朝起きてすぐに動きたくなる体 庄島義博 サンマーク出版 コンディショニングトレーナーとして活躍する筆者の施術は筋肉を横に揺らすことが特徴。 本書のキーワードは「ふるふる」 その方法が19パターン、図入りで紹介されています。 ひとつだけ紹介すると…
言語化の魔力 樺沢紫苑 幻冬舎 筆者は、精神科医で、YouTubeでも発信されています。 わたしはYouTubeで観て、筆者の語りに大変共感できたので、著書を購入して読みました。 本書には、悩みを解消する具体的な方法が書かれています。かなりの分量があるので、…
天才じゃない私たちが輝くために がんばる前に読みたい23の言葉 夏目にーに KADOKAWA 本の帯に、 もっと悩んでよし、ブレてよし! 今を生きるすべての人が前向きに進むためのヒントとなる1冊に。 とあり、期待して購入しました。 私はマンガを読まないので…
わたしが「わたし」を助けに行こう 自分を救う心理学 橋本翔太 サンマーク出版 購入のきっかけ ・タイトルの「『わたし』を助けに」ということばに引かれて購入。 読み始めの印象は ・ソフトな語り口調で、すらすら読めます。 ・若い女性がモデルのイラスト…
「紙の動物園」ケン・リュウ ハヤカワ文庫 電車の中で読まないでください 涙が止まらなくなるからヒューゴー賞・ネビュラ賞・世界幻想文学大賞 3冠に輝いた「紙の動物園」胸を打ち心を揺さぶる短編集と文庫の帯に書いてあります。 また大げさなコピーだと思…
「続ものがたり風土記」 阿刀田高 集英社文庫 前回この記事で紹介した「ものがたり風土記」がたいへんおもしろく、すぐに読了したので、続編も読み始めました。 平衡感覚(岩手2)では宮沢賢治の「鹿踊りのはじまり」が紹介されています。原作を読むと、これ…
ものがたり風土記 阿刀田高 集英社文庫 筆者が、文学に詳しい「市さん」とふたりで各地を巡り、その地に関わる物語について対話しながら考察するという形式で書かれている。 ふたりはまるで芭蕉と曾良の旅を思わせる。 筆者と市さんの博識と推理が興味深く、…
阿部公彦「文章は『形』から読む」 集英社新書より学習指導要領を読む を読み、考えをまとめてみました 文章は「形」から読む ことばの魔術と出会うために (集英社新書) 作者:阿部 公彦 集英社 Amazon 「論理国語」論争 社会から「社会に出たときに接するよ…
「凡人が天才に勝つ方法」つんく 東洋経済新報社 日頃、高校生に接している私は、彼らの才能の見つけ方、伸ばし方に興味があり、参考になる本を探しています。また、自分自身が還暦を過ぎても、眠っている才能?を探して伸ばしたいと思っています。そこで出…
「模倣と創造 13歳からのクリエイティブの教科書」佐宗邦威 さそうくにたけ PHP研究所 読了しました。参考になった点を3つあげておきます。 1 模倣、想像、創造の3章に分けて、想像力を身につけるための具体的な方法が示されています。 2 人間の知能が…
2022年京都大学 前期 国語 文系学部 第二問 高橋和巳『〈邪読〉について』 形式段落の内容をまとめました 1 「千夜一夜物語」の語りは、物語が物語を生み、登場人物が語り出した物語の中の人物がまた一つの物語を語り出す 2 これはアラビア文化圏特有…
光文社古典新訳文庫 高遠弘美訳 そして、私の思考も、そんな椅子に似た揺籃のようなものではなかったか?外界で生起することを眺める場合でも、私はその中にどっぷりと身を沈めているー私はそう感じた。外界の事物を見ているとき、自分がそれを見ているという…
岡本太郎の本を読んで、太陽の塔を見に行きたくなったので、子どもと一緒に行ってきました。 www.bluesoyaji.com www.bluesoyaji.com 50年ぶりの対面です。 1970年の万博に連れてきてもらったのが、小学校3年生くらい、9歳だったと思います。 それか…
岡本太郎の「自分の中に毒を持て」を紹介しましたが、さらに「自分の運命に楯を突け」を読んでいます。 www.bluesoyaji.com まだ読み出したばかりですが、こころにひびく言葉がつぎつぎと現れてきました。 いくつか紹介します。 興味を持ったかたは、ぜひ一…
今年2021年の京都大学の入試問題に出題された石川淳「すだれ越し」がおもしろかったので、石川淳が読みたくなり、まず「山桜」を読んでみました。 これがとてもおもしろい小説だったので、紹介します。 石川淳「山桜」 構成を見ましょう。 金を借りに行った…
九州大学 今福龍太「宮沢賢治ーデクノボーの叡知」 形式段落に通し番号をつけました(赤字) 形式段落の要旨です。 1模倣(ミメーシス)能力は人間文化における創造性の根源にあるもの 2ベンヤミン「模倣の能力について」文字以前の文化は内蔵、星、舞踏を…
京都大学 2021年 文系 国語 第二問 随筆 石川淳「すだれ越し」 石川淳は明治32年(1899)〜昭和62年(1987)東京生まれの小説家。36歳で「佳人」を書き、昭和11年「普賢」で芥川賞を受賞、戦時中は一貫して抵抗の姿勢を貫く。戦後は太宰治や坂口安吾とと…
「ひきこもれ ひとりの時間をもつということ」吉本隆明 だいわ文庫 本文は上記から引用しました。 吉本隆明といえば、学生運動の思想的な柱、「共同幻想論」、よしもとばななの父などが思い浮かびます。 名前は知っていても、その著作は未読でした。 今回は…
明治の男はつらかったと思う。 鎌倉時代から数百年にわたって培われてきた武士道の美学と倫理、つまり禁欲と痩せ我慢があらゆる行動の指針になっているにもかかわらず、時代は確実に、金銭と欲望だけが支配する資本主義の方に進みつつあったからだ。つまり、…
迷える羊は誰に出会ったのか? インフルエンザから回復して美禰子に会いに行く三四郎。 本文は青空文庫から引用しました。 朝飯後、シャツを重ねて、外套《がいとう》を着て、寒くないようにして美禰子の家へ行った。玄関によし子が立って、今|沓脱《くつぬ…
原口さん宅を辞し、美禰子と二人になった三四郎。美禰子に気持ちを伝えますが、その結果はどうなったでしょうか? 本文は青空文庫から引用しました。 夕暮れには、まだ間《ま》があった。けれども美禰子は少し用があるから帰るという。三四郎も留められたが…
三四郎が、よし子と一緒に野々宮さんの下宿に行ったとき、野々宮さんから、よし子の見合い話が出ました。 翌日、三四郎は国から届いた金を持って学校に出て、与次郎から、美禰子が絵のモデルとして毎日通っている画家の原口さんの住所を聞き出します。 広田…
美禰子から金を借りた後の三四郎について見ていきます。 「精養軒の会」(広田先生の後援会のようなもの)に参加した帰り 与次郎からの話です。 本文は青空文庫から引用しました。 「笑わないで、よく考えてみろ。おれが金を返さなければこそ、君が美禰子さ…
美禰子に誘われて、展覧会についてきた三四郎。絵のことがわからず、美禰子と会話にならない中、決定的な出来事が起こります。 ここは「三四郎」の最大の山場ではないでしょうか。 本文は青空文庫から引用しました。 それでも好悪《こうお》はある。買っても…
美禰子の家を辞し、付いて出てきた美禰子と当てもなく歩く三四郎。 本文は青空文庫から引用しました。 二人は半町ほど無言のまま連れだって来た。そのあいだ三四郎はしじゅう美禰子の事を考えている。この女はわがままに育ったに違いない。それから家庭にい…
いよいよ美禰子宅を訪問する三四郎です。 少し長くなりますが、二人の距離が縮まるのか、離れるのか、最大の山場なので、じっくり読んでいきましょう。 本文は青空文庫から引用しました。 翌日はさいわい教師が二人欠席して、昼からの授業が休みになった。下…
三四郎は、与次郎に頼まれて金を貸します。 与次郎が、広田先生から預かった、野々宮さんに返す予定の金を競馬で摩ってしまったからです。 与次郎は金策の結果、美禰子に金を借りることになりましたが、美禰子がつけた条件は、三四郎が金を受け取りに来るこ…
広田先生宅訪問 美禰子にとらわれている三四郎ですが、三四郎の頭の中では美禰子をどう見ているのかを整理してみましょう。 そうすることで、美禰子との関係の問題点がはっきりとすると思われます。 本文は、青空文庫から引用しました。 三四郎は近ごろ女に…
大学の運動会を見に出かけた三四郎。見学に来ている美禰子に合うことを期待しています。 審判をしている野々宮さんと談笑する美禰子を遠目に見て、おもしろくないと思って会場から離れます。 そして、美禰子とよし子の目につくように姿を見せた三四郎は、す…