偏差値ランキングが通用しない2019年大学入試
2月下旬、大学入試も前半が終わって、国公立大学の二次試験が始まります。
私学入試の合格発表から、今年の入試に異変が起こっていることがわかります。
それは、偏差値ランキングが通用しなくなっているということです。
ベネッセの模試で合否判定AやB判定が付いていても、落ちてくる。
偏差値が下の大学を抑えとして受けても不合格になり、逆に偏差値が上の大学が合格するというケースが発生しています。
関西地区の私大で言うと、神戸学院大に落ちて甲南大に受かる、追手門学院大に落ちて関西大に受かるといったケースです。
従来ならあり得なかった逆転現象が見られるのが今年の入試状況です。
一番とまどっているのは受験生です。受かるはずの併願校が落とされてしまう。抑えにならない、どこも受かってこないという厳しい現状があります。
ベネッセや河合塾の分析によると、2019年の大学入試は、前年に引き続き、文系人気が高く、理系は低調、いわゆる文高理低の傾向だと言われていました。
たしかにそうですが、理系の大学も偏差値ランキングが通用しないほど難化するという予想はどこもしていませんでした。
従来は成績が下位層の受け皿となっていた大学も難化し、全然受かってこないのです。
その原因は、各大学が合格者を絞り込んでいること。
もちろん、文部科学省の指導が原因です。昨年度の入試も合格者絞り込みの影響は大きかったのですが、今年はそれ以上です。
定員の1.05倍を超えると補助金カットという方針に各大学が過剰に反応した結果です。
兄や姉が受かった大学が同じ成績、いやそれ以上でも受からない。
先輩が去年受かったところを目指したがダメだった。受験生にとっては非常に厳しい状況です。
偏差値という物差しでは受験指導ができない、合否の予想すらできないのが現実です。
いまや新しい物差しは、合格者数の絞り率です。対前年比で何パーセントの合格者を出すのか。
これによって大学の難易度が簡単に入れ替わってしまうのです。
こういった現状にどう対応するか。
受験生のみなさんは、後期試験までチャレンジを続けましょう。
国公立の合否発表が終われば、上位の大学から合格手続きをしない辞退者がたくさん出てきます。場合によっては定員割れをおこし、追加合格を出す大学も出てきます。昨年も話題になりました。最後までチャンスはあるので、あきらめずに勉強を続けましょう。
また、受験生のみなさんは、合格した大学で勉強を一生懸命することが大事です。
偏差値が高いとか有名大学だからとかで満足するのではなく、入学してからの勉強がちゃんとできるかどうかでその大学を評価しましょう。
政治によって多くの受験生と親、教師が振り回される、この現状をなんとかしたいと思います。
数年後、もっと少子化が進んで受験生が減少した時、今年のような、えげつない合格者の絞り込みをした大学は受験生から敬遠される覚悟をしておくことです。