浪人を考えている人、その保護者の方へ
進路担当の高校教師がアドバイスします
もう一年受験勉強をしようかと浪人を考えている人に、浪人することのメリットとデメリットをあげてみました。
私自身、浪人生でした。教師になり進路を担当して、大勢の高校生を見てきました。その経験からアドバイスをします。
少しでも参考になればと思います。
メリット
・第一志望校に行ける
・自分のやりたいことに近づける(大卒資格の必要な職業など)
・受験勉強を思いっきりできる
・挫折を経験し、それを乗り越えることでメンタルが鍛えられる
デメリット
・大変そうで不安がある
・1年遅れる
・お金がかかる
・どこにも所属していない宙ぶらり感がある
などです。
迷っているかたは、当てはまる項目が一つでもありましたか?
メリットから補足していきます。
第一志望校に行けるですが、ちゃんと一年間、受験勉強に励めば、だいたい受かっています。
普通の受験生が、一年間、普通に浪人生活をすれば、成績はぐっと上がります。
もし第一志望に受からなくても、他の合格校で納得できることも多いです。
例外は、極端に自分と目標校の学力差があり、競争率が高い大学の場合です。当然うまくいかないこともあります。
医者や教師、官僚、弁護士、研究職など、制度として大学卒の資格が必要な職業を目指している人は、まずは大学に入ることです。
浪人しなければ他に道はありません。もう一年頑張ればいいだけです。
現役生だった人は、高校に通わなくてよくなる分、受験勉強に集中できます。高校生の時よりも、圧倒的に家庭学習の時間が増えます。
自分の計画で、自分のペースで勉強できる自由さは、浪人の特権です。思いっきり勉強しましょう。
大学受験での失敗は、これまでの人生の中で体験する初めての大きな挫折かもしれません。今までは、親や学校に守られて、レールの上を走ってきたのです。挫折経験もほとんどなかったでしょう。
これからは、自分で考え、行動していかなければなりません。浪人生活を通して、挫折を乗り越え、困難に打ち勝つことで大きく自信もつくし、自分を見つめ、改革することもできます。一回りも二回りも人間的に成長できる。こんなチャンスは、現役で合格した人よりも浪人する人のほうが生かせます。
AOや指定校推薦で比較的楽に合格した人は、浪人生の苦労を体験できません。そんな人は、就活の時に初めて挫折を体験することになるのです。浪人生活はマイナスのようで、実はプラス面が多いのです。
浪人生活で、頭脳だけでなく、メンタルも鍛えられます。
デメリットについて、補足します。
まず大変そうで不安ということですが、誰しもそう感じるでしょう。初めての経験だからです。様子が分かれば、心配しなくてもすぐに慣れます。
予備校や塾の説明会に行って、浪人することをしっかり相談してみてください。熱心に相談に乗ってくれないところはやめておいたほうがいいでしょう。
詳しい説明を聞けば、不安は解消されます。保護者の方と一緒に行きましょう。
一年遅れることですが、若い時の一年や二年の遅れなんて、なんのマイナスもありません。いくらでも取り戻せます。働き出すのが少し遅れるだけ。仕事をしだしたら、全く関係ありません。心配無用です。
お金がかかることについて、予備校代、塾の費用、参考書代、交通費など、たしかに必要となります。まずは、保護者を説得して応援してもらいましょう。
子供の真剣なお願いに親は心を動かされるものです。ただし、どうしても経済的に厳しいといわれた場合、宅浪になりますが、お小遣いをためるか、これだけは保護者にお願いして、夏期講習や冬期講習、模試などは、絶対に受けておきましょう。
それも厳しい場合は、リクルートのスタディサプリで勉強しましょう。一か月1000円程度で、講義動画が見放題です。こんな格安な勉強手段はほかにありません。圧倒的なコストパフォーマンスです。私も利用しているので、間違いありません。関先生の英語なんて最高に面白いです。これだけでもお金を払う価値ありです。
スマホの料金に毎月1万円近く払っている人は、格安スマホに変更して、浮かした料金でスタディサプリをやりましょう。
今までは、小中高と学校という組織に所属し、社会的にも生徒という立場で守られてきました。浪人すると、何者でもなくなります。その中途半端さがなんとも宙ぶらりで、心もとない感じがするのですが、すぐに慣れます。
長い人生で、どの組織にも所属していない期間が一年間ぐらいあっても、大丈夫です。心配な人は、河合塾など大手予備校に入れば、学生証を発行してくれます。少しは安心が得られるかもしれません。学割も使えます。
こう見てくると、メリットはともかく、デメリットも考えようではメリットになることがわかります。
最後に浪人生活を成功させる注意点をいくつかあげます。
・必ず、予備校か塾へ行く(無理ならスタディサプリ)
・バイトはしない(どうしても必要な人は期間限定で)
・恋愛は合格してから
・友達づきあいは、お休みする(無理な誘いは断る)
・保護者の応援を確保しておく
・相談できる大人を持つ(予備校のチューター、塾の先生、出身高校の教師)
私の子供も一年間浪人生活を送りました。教師の立場だけでなく、保護者の立場も経験しています。
少しでも参考になれば幸いです。
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