大学入学共通テスト 第3問 古文「栄花物語」を解いてみたら、なんと早稲田大学人間科学部で出題された問題(2012年度)と酷似していました。驚愕の内容を報告します。
共通テスト国語第3問はこちら
早稲田大の問題がこちら
(旺文社 全国大学入試問題正解 国語 私立大編 2013年受験用)
問題文の(中略)以降が共通テストの問題文と重なっています。赤の矢印を参照(早稲田の最後の二行は削除されている)
見づらいので、大きな画像を載せておきます
しかも、設問部分が重なっている問題がありました。
早稲田大の問十五の傍線部分「よろしきほどは『今みづから』とばかり書かせたまふ」
(黄色の矢印)
これは
共通テストの問2「『今みづから』とばかり書かせたまふ」
とかぶっています。
完全にオリジナル問題をつくる場合、普通はこんなに問題の場面、設問部分まで一致することはありません。
あまたある古典の中から、しかも問いまで同じ箇所である確率は、仏教説話の「一眼の亀」レベルです。
これはアウトですね。
大学入試問題、しかもセンター試験廃止後の共通テストで、よく知られた大学の入試問題を使うなんて、ありえないことです。
早稲田を志望している受験生は過去問をさかのぼって勉強しているので、中にはこの早稲田の問題を解いた人もいたでしょう。
一度勉強した古文が出れば、はっきり言って楽勝です。
喜んだ人もいたでしょうね。
一方で、全国で五十万人もの受験生が受ける入試です。公平性の点から問題はないでしょうか。
私はおおありだと考えます。
問題作成委員の先生は、早稲田大のこの問題を見たうえで、共通テストの問題を作成していませんか?
それなら大問題になりますよ。
「下衆の勘繰り」はこれくらいにして、
大学入学共通テスト分科会委員の先生方には、今後、こういう疑念が生じない、良問の作成を要望します。
ただでさえ、今年の受験生は、国語と数学の記述問題の導入と中止、英語外部試験の導入と延期、コロナによる突然の休校、共通テストの試験日程の変更などで、大概迷惑を被ってきています。
これだけ大変な変更が重なった学年は、今までありませんでした。
みんな大変な思いをしてきたのです。
せめて共通テストぐらいは公平な問題にしてあげてほしかった。
残念でなりません。