15分でできる大学入試国語問題の解き方 入門編 その4
関西大学 2020年 全学日程 国語 『「学び」の復権ー模倣と習熟』辻本雅史
初めての人は、その1を参照してください。
今回は、設問のみ掲載しています。本文は、以前の記事その1、その2を参照してください。
問3 手習塾の「教科書」について
これは9段を見ましょう。
「手本」は、師匠が書いた手書きの「手本」―初心者
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市販の印刷冊子の「往来物」―量をこなす、テキストの内容に重点
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子どもが忠実に似せ模倣する、暗唱する対象
選択肢を見ると、「手本」と「往来物」を異なるものとしたのが、a、b、d、eであり、同じものとしたのはcだけ。正解はc
問4 「学問」(儒学)の学習における「素読」と「教科書」について
これは10段、11段を見ましょう。
ちなみに「素読」の読みは、「そどく」です。「すどく」は×。意味を考えずに文字を声出しして読むこと。
教科書としての位置をしめるものー「経書」=申請で特別な書→「素読」まるごと暗唱するーみずからのうちに内在化、身体化
初学者も大学者も教科書(経書)の権威は変わらない
絶対的権威をもつ無謬のテキスト→学問とは「教科書を学ぶこと」
選択肢を見ると、
a 「経書」は、広く用いられた点で「往来物」とは異なっていた→×
b 暗唱によって~権威を保証するという点において→×。意味不明。
c 大学者と異なり→×
d 内在化、身体化、絶対的権威、無謬のテキスト→○
e 正確に読む努力をしなければならなかった→×
したがって、正解はd
どうでしたか?
問3、問4ともに、設問に関わる段落を見つけ、その内容をつかんでおくと、選択肢の吟味はそう難しくはありません。
前回(その3)で指摘したように、本文に○印、線引きすることが基本です。
その5に続く