bluesoyaji’s blog

定年後の趣味、大学入試問題の分析、国語の勉強方法、化石採集、鉱物採集、文学、読書、音楽など。高校生や受験生のみなさん、シニア世代で趣味をお探しのみなさんのお役に立てばうれしいです。

国語教師が薦める現代文参考書ベスト3 その2

 

今回は、小論文の参考書を紹介する。

田村のやさしく語る小論文
田村秀行
代々木ライブラリー

 

センター試験廃止後の新テストでは、国語、数学に記述問題を取り入れるという。誰が採点するのか。大学の先生も大変ですねと心配してしまう。

現在の入試でも国公立大学の二次試験では記述問題が多い。では、わざわざ新テストを導入しなくても、今のままでよいのではないか。昔は国公立大学一期校、二期校と入試があって、それぞれ個別に試験を受けていた。それでいいのではと思ってしまうが。
現在の高校では、記述問題や小論文を説く力を付けるための授業は、まず行っていない。現代文と国語表現という授業の中で、文章を書くことを扱うことはあるが、記述問題や小論文に特化した講座は少ないだろう。
記述問題は別の機会に考えるとして、小論文を書く力を付けるためにはどんな勉強をすればよいのか。

よく高校生から聞かれるが、その時にはこの「田村のやさしく語る小論文」をまず読むことを薦めている。これが一押しだ。

内容は、
第一部 小論文について知っておくこと
第二部 小論文の書き方の約束
第三部 小論文のための訓練法
となっており、第一部は語り口調なので、活字が苦手な高校生も取っつきやすいだろう。作文と小論文の違いといった基本や、どんな勉強をしたらよいか、新聞のどこを見ればよいかなど、わかりやすく、しかも本質を丁寧に教えてくれる。

難しいことを難しく表現する書き手は多いけど、難しいことをやさしく表現する人は少ない。田村先生は本当にわかりやすい。

一部引用をする。

新聞のどこを見ればよいのだろうか


 まず、コラムは、文章になっていないから、ダメ。あれは、途中に▼の印が出てきて「。」で区切ってないでしょ。だから、接続語や指示語でつながれてないし、▼のところで話が飛んじゃってるからいけないの。それから、最後に必ず政治家の皮肉になるというワンパターンもよくない。


朝日新聞「天声人語」神話の否定。そのとおりだ。

 

全部読むことは当然大事だが、時間がない人は、言葉づかいや記号の使い方など、ちょっと気になることを、目次で調べてそこを読むという勉強方法がお勧めである。

目次には具体的な項目がたくさん並んでおり、これを眺めるだけでも小論文の勉強の全体像がつかめる。

受験生だけでなく、教え子から小論文の添削を頼まれた先生や、うちの子供に書く力を付けたいと思っている保護者のみなさん、小論文を書く訓練を受けてこなかった大学生にもぜひお勧めである。

 

田村のやさしく語る小論文―代々木ゼミ方式 https://www.amazon.co.jp/dp/489680340X/ref=cm_sw_r_cp_api_cjfQybGR99ZR8