ゴールデンウィークは前半の3日間休めるので、どこかに化石の探索に行こうと、考えていた。
候補の一番は、故郷徳島の勝浦、上勝町。しかし、高速道路の渋滞予想で、淡路道が大渋滞となっていたので早々にあきらめた。
徳島の化石産地と同じ白亜紀の地層がある場所といえば、和歌山県。去年行った有田川町もよかったが、今回は、化石ウォーキングガイドで紹介されていた広川町の白木海岸を目指すことにした。
連休の天気は晴れて暑くなりそう。初日、いつもと同じ時間に起きて、8時半に出発。主に高速道路を利用して、11時前に現地に到着した。
高速の渋滞はなかったが、広川町で道に迷い、港近くの道を行くと行き止まり。そばの工場で働いていた方に白木海岸への行き方を教えていただく。
目的地には車を止めて置く場所がなかったので、隣の海岸の堤防のそばに停めて、歩いて目的地まで引き返した。
一面に晴れて青空に海の見晴らしもよく、気持ちがいい。景色を見に来るだけでも値打ちがあるなと思いながら、ポイントを探して磯を歩く。
さいわい引き潮だったので歩きやすい。牡蠣殻が磯にたくさんはりついている。もちろん現生の物。化石の痕跡を探してさらに行くと、それらしき物を発見した。
「なんや、結構あるやん」とうれしく思いながら、写真を撮る。
磯づたいに岩石の露頭を見て歩くと、場所によって黒っぽい泥岩とやや茶色の砂岩ぽいところと、違いがある。
植物化石の破片を含んだ泥岩が落ちていたポイントで石を割ってみたが、よい物はなかった。
夢中で探すうちに1時間以上過ぎていて、潮が満ちてきているようなので、あわてて砂利のある海岸に引き返した。
小学校低学年くらいの子供を連れたファミリーが金槌を手に石を割っている。軽くあいさつをして、海岸線の反対側にあるポイントを見に行った。
ここも貝化石の密集した部分がある。写真を撮り、辺りに落ちている石を見てみるが、見つからない。
先行者が割ったであろう泥岩をさらに割ってみると、小さな二枚貝の化石が出てきた。
しばらく割っていると、先ほどのファミリーの一人が声をかけてきた。私より一回りぐらい年輩の男性で、子供夫婦と孫と一緒に初めて化石を探しに来たという。
初心者で初めてこの海岸に来られたそうだ。私と同じだが、近くの化石産地のことを話すとご存じではなかったので、少しだがお教えした。
化石の見つけ方をアドバイスすると喜んでくださった。産地で同好の方と話したのは初めてだったので、うれしい気持ちになった。また、お子さんやお孫さんたちと一緒に採集されているのがとてもうらやましく思った。
ほのぼのとしていいなあと思いながら、次の産地を目指した。