bluesoyaji’s blog

定年後の趣味、大学入試問題の分析、国語の勉強方法、化石採集、鉱物採集、文学、読書、音楽など。高校生や受験生のみなさん、シニア世代で趣味をお探しのみなさんのお役に立てばうれしいです。

ブログのアクセス回数が5000回になりました。ありがとうございます。

このブログのアクセス数がやっと5000回になりました。

 

2016年11月から始めたブログですが、大学入試の分析や勉強法など、地味なテーマで記事を書いているので、アクセスが伸びませんでした。

 

何万PV達成とか月収〇〇万円とかの記事を読むと、次元が違いすぎて気落ちします。

 

しかし、誰か見ず知らずの方が、どこかで自分の記事を読んでくれている、そのことだけでもすごい価値があることだと思っています。

 

自分としては、文章修業とSNS勉強のためにブログとツィッターをやっています。

 

収益のあげ方の記事を読んでも、全く収益など出ません。むしろ経費がかかります。

 

ブログで稼いでいる人ってすごいですね。

 

教師になる前は、ライターになろうと思っていましたが、とても文筆では食っていけません。

 

自分の書いた記事が少しでも誰かの役に立てば、あるいはおもしろがってもらえたなら、こんなに素晴らしいことはないと思います。

 

書きたいことを書く。

自分がおもしろいと思える内容を書く。

どこかの誰かの役に立てるものを書く。

 

読んでくださった皆さん、ありがとうございました。

 

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「虜人日記」小松真一 ちくま学芸文庫を読んで「日本の敗因」について考えた 

 

「虜人日記」小松真一 ちくま学芸文庫がおもしろく、引き込まれるように読み終わりました。読後に感想を残しておきたいと思い、「日本の敗因」について書かれた部分を取り上げます。

 

日本の敗因について書かれた二十一条です。

日本の敗因、それは初めから無理な戦いをしたからだといえばそれにつきるが、それでもその内に含まれる諸要素を分析してみようと思う。


一、精兵主義の軍隊に精兵がいなかったこと。しかるに作戦その他で兵に要求される事は、総て精兵でなければできない仕事ばかりだった。武器も与えずに。米国は物量に物言わせ、未訓練兵でもできる作戦をやってきた。
二、物量、物資、資源、総て米国に比べ問題にならなかった。
三、日本の不合理性、米国の合理性。
四、精兵の素質低下。(精兵は満州、支那事変と緒戦で大部分は死んでしまった)。
五、精神的に弱かった。(一枚看板の大和魂も戦い不利となるとさっぱり威力なし)。
六、日本の学問は実用化せず、米国の学問は実用化する。
七、基礎科学の研究をしなかった事。
八、電波兵器の劣等。(物理学貧弱)。
九、克己心の欠如。
十、反省力なき事。
十一、個人としての修養をしていない事。
十二、陸海軍の不協力。
十三、一人よがりで同情心がない事。
十四、兵器の劣悪を自覚し、負け癖がついた事。
十五、バアーシー海峡の損害と、戦意喪失。
十六、思想的に徹底したものがなかった事。
十七、国民が戦いに厭きていた。
十八、日本文化の確立なき為。
十九、日本は人命を粗末にし、米国は大切にした。
二十、日本文化に普遍性なき為。
二十一、指導者に生物学的常識がなかった事。


順不同で重複している点もあるが、日本人には大東亜を治める力も文化もなかった事に結論する。

 

日本人の特長に原因を見いだすもの


三、日本の不合理性、米国の合理性。
五、精神的に弱かった。(一枚看板の大和魂も戦い不利となるとさっぱり威力なし)。
九、克己心の欠如。
十、反省力なき事。
十一、個人としての修養をしていない事。
十三、一人よがりで同情心がない事。
十九、日本は人命を粗末にし、米国は大切にした。

 

五の精神的に弱かったというのは、意外に感じました。富国強兵で突っ走ってきた明治以降の日本という国家が育ててきた軍人や、民間人。日本人は、他国に劣らず、いや、強かったという刷り込みがどこかでなされていたのかもしれません。


十の反省力なき事は、軍隊という組織を見るまでもなく、現在の日本のあらゆる組織に残っているように思います。


十三の一人よがりで同情心がないは、著者の置かれたフィリピン戦線の過酷さが、そういった特長を際立たせたのでしょうか。

日本人は昔から、人の目を気にして和を尊び、「一人よがり」とは正反対と思っていたのですが。極限状況になると、だれしもこうなってしまうのでしょうか。
著者は、人格者の軍人の話を書いていますが、そんな指揮官の軍は統制が取れて強かったそうです。しかし少数です。


十九の日本は人命を粗末にしたというのは、「戦陣訓」に「生きて虜囚の辱を受けず、死して罪禍の汚名を残すこと勿れ」とあることでも明白ですね。米軍との兵に対する発想が違いすぎて、これで勝てるはずがないと思ってしまいます。
兵の人命軽視は、現在も、国民の生命軽視につながっているように思います。

 

軍人(精兵)の問題


一、精兵主義の軍隊に精兵がいなかったこと。しかるに作戦その他で兵に要求される事は、総て精兵でなければできない仕事ばかりだった。武器も与えずに。米国は物量に物言わせ、未訓練兵でもできる作戦をやってきた。
四、精兵の素質低下。(精兵は満州、支那事変と緒戦で大部分は死んでしまった)。
十二、陸海軍の不協力。
十四、兵器の劣悪を自覚し、負け癖がついた事。

 

日本兵は強かったと言われますが、戦争の初期だけだったそうです。

 

日本の思想、文化の問題


十六、思想的に徹底したものがなかった事。
十八、日本文化の確立なき為。
二十、日本文化に普遍性なき為。

 

「国家神道」で国民を統率しようとし、「神国日本」「神風が吹く」など、神がかり、神頼み的な思想では、だめだったということでしょう。


日本文化の普遍性については、よく考えてみないといけない問題です。中華思想との関係や儒教、仏教との関係など、広い視点で考えるテーマだと思います。
戦場でアメリカとの文化の違いを切実に感じた著者の思いが込められた言葉です。

 

この本の評者である山本七平が「日本の敗因」を分析した文章を書いているそうですが、山本七平(イザヤベンダサン)の作品は未読です。あしからず。

 

「虜人日記」は、戦争と日本人の関係を考察するのに大変よい資料です。

戦争体験を持たない人にぜひ読んでもらいたいと思います。

 

 

 

 

高速道路の運転での疲れを減らすために 後付けオートクルーズを取り付けました  Pivot 3-drive REMOTE α

 

 

動運転が話題になっています。スバルのアイサイト・ツーリングアシストや日産のプロパイロットなど。高速道路の運転の負担が減り、安全性も高いとなると、装着車がほしくなります。


しかし、すぐには買い換えできないので、少しでも高速道路の運転が楽になる方法はないかネットで調べてみました。
すると、「後付けオートクルーズ」という言葉が見つかりました。オートクルーズって、新車を購入する時、オプションでつけるものと思っていましたが、後からでも取り付けできるというのです。
これはいいと思い、Pivot 3-drive REMOTE αという製品をアマゾンで購入しました。専用の配線が必要で、それも含めたセットが2万2千円ほどでした。

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ネットには自分で取り付けたという情報がたくさんあり、見てみましたが、ちょっと素人には無理だと判断して、近くの自動車修理工場に依頼しました。


り付けとセッティングで2時間ほど、作業費用はおよそ1万円でした。コントローラーをハンドルの左側のエアコンやステレオを操作するパネルの空いている箇所に取り付けています。使い方も教えてもらいました。

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オートクルーズの他にスロットルコントロールという機能があり、スポーツモードとエコモードを試してみました。


車には、もともとエコとスポーツ走行の切り替えがあり、いつもスポーツモードにしていました。普段はアクセルを多少踏み込んでも、エンジン音もあまり大きくならず、スポーティな感じもありませんでした。

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ロットルコントロールをスポーツモードにして、SP5というポジションまで上げていくと、エンジン音が聞こえ加速も速くなりました。
SP1から7まで段階があるので、状況や車の種類によって使い分けるといいと思います。


10年以上乗っているレガシィですが、新たに乗る楽しみができたように感じます。

 

ートクルーズの方は、まだ高速に乗る機会がないので試していません。別の機会に報告します。

 

「NYの人気セラピストが教える自分で心を手当てする方法」ガイ・ウィンチ かんき出版 読書中。心に響いた部分を紹介します。

 

「NYの人気セラピストが教える自分で心を手当てする方法」を読書中です。心に響いた部分を紹介します。

 

第2章  誰ともつながっていないと感じるときー孤独 より一部を引用します。

 

 

いったん孤独になると、そこから抜けだすのは思った以上に困難です。その原因のひとつは、孤独な人が他人を信用しないからです。自分にも他人にも批判的になり、人の言動をネガティブに捉えて、疑心暗鬼になります。さらに怖いのが、孤独によって行動が投げやりになることです。「どうせ何をやっても無理だ」と思い込み、人との関わりを投げ出してしまいます。その結果、コミュニケーション能力がおとろえて、ますます人との交流が難しくなります。

ひとまず思い込みを捨てて、自分の行動を客観的に振り返ってみてください。「努力しているのに友達ができない」「何もしていないのに人が離れていく」と思うでしょうが、ひょっとしたら自分の行動のなかにヒントが隠れているかもしれません。

孤独は他人に対する見方にも影響します。孤独な時ほど他人に厳しくなり、友人や恋人の言動をネガティブに捉えるようになります。

自分にも他人にも厳しくなり、会話や関係性がつまらなく感じられます。そして他人から見た場合の魅力も下がり、人の興味を引きづらくなります。そうした影響が重なった結果、孤独から抜け出して新たな人間関係を作ることはとても難しくなるのです。

本当は自分で見えない壁を築いているだけなのに、そのことに気づいていなかったのです。これが孤独の罠です。

人との深いつながりが不足していたり、相手に対する努力を惜しんでいると、対人関係の「筋肉」がおとろえます。つまり、相手の気持ちが理解できなくなり、行動が的外れになるのです。

長い間一人だった人が異性にアプローチしようとする時も、同じことが起こります。対人関係の筋肉が弱って恋愛スキルが下がっているのに、自分ではそれがわかりません。その結果、「なぜがんばっているのにモテないんだろう」と思い悩むことになるのです。

孤独をこじらせないためには、3つのことに気をつける必要があります。
 第一に、誤った現実認識を正し、孤独の悪循環を予防すること。まわりの人や環境をネガティブに評価していると、いっそう孤独になります。
 第二に、対人関係の筋肉を強化し、相手の身になって考えられるようになること。そうすれば、相手との関係性をスムーズに深められます。
 第三に、孤独の痛みやつらさをやわらげること。現実的に人とのつながりをつくるのが難しい場合は、これが非常に大切です。  

「 対人関係の筋肉がおとろえる」という表現が、新鮮でさらに的確だと感心しました。教師という仕事柄、孤独そうな生徒を見かけることはあります。自分自身もそれほど社交的ではない、むしろ対人関係の構築はやや苦手と思っているので、この言葉はよくわかりました。使わないとおとろえる筋肉と同じだというのです。

思春期は孤独になりたがる時期もありますが、対人関係を避けていると、筋肉がおとろえてしまうことになるので、注意が必要です。

「相手の気持ちが理解できなくなり、行動が的外れになる」

思い当たることは多々あります。パートナーにプレゼントをしても、喜んでもらえないことがほとんどです。相手のほしがっているものがわかっていないためですが、年を重ねると重症になるようです。

この第2章の内容を読んで、仕事面とプライベート面の両方で、変えていかなければいけない点に気づくことができました。

まずは人と接する時の自分の表情や話し方を意識してフレンドリーにしていきたいと思いました。

 

必見 大学入試 小論文対策のおすすめ 国語教師が教えます。 

 

大学入試 小論文対策のおすすめ

 

学研の小論文対策研究会に行ってきました。これがすごくよかったので、受験生のみなさんに小論文対策のポイントをお伝えします。

 

1「グローバル社会」のイメージ
 ・ポジティブばかりを答える
 ・出題はネガティブ面。 競争社会→格差社会へ

 

2「AI」
 ・2017年度から一気に出題量が増加
 ・出典は日経新聞がほとんど
 ・産業ロボットからサービスロボットへ
 ・モノからヒトへ
 ・工場内から一般社会へ

 

3「AI」を扱うときの留意点
 ・極端な発想はダメ 心や感情ーAIは人間を超えられない→ダメ
  逆にAIが人類を支配してしまうという発想もダメ
 ・どこまでが現実的かとふまえる

 

4 「AI」を考えるポイント
 ・人間の仕事に影響を与える
 ・代替、仕事を奪われてしまい格差が生まれる
 ・なぜAIを受け入れるのか
 ・どうやって乗り越えるか、共存できるか

 

参考:「AIの出題は、せいぜい2年しか持たない。2019年度には下火になる」そうです。

 

5 おすすめの本
 「AIの衝撃 人工知能は人類の敵か」小林雅一 講談社現代新書

この本からの出題例 2017年 長崎大学 教育学部 学校教育教員養成

第1章 最新AIの驚異的実力と人類滅亡の危惧─機械学習の光と陰
 「AIに脅かされる職種」という節の全文が出題されています。

 

 

赤本、過去問のおすすめ勉強方法  現代文編

 

赤本、過去問のおすすめ勉強方法  現代文編

 

夏休みもあとわずかになりました。基礎固めも一段落し、そろそろ過去問を解いて応用力をつけようと思っている受験生のみなさんに、おすすめの勉強方法をお知らせします。

1 まずは第一志望校の赤本からはじめよう。


 高校や塾で赤本を貸し出ししてくれるところも多いですが、第一志望校の赤本は買いましょう。返却日などを気にせず、いつでも手にとって勉強するためです。


赤本は結構な値段がします。おこづかいを貯めるか、スマホの通信費を節約してその分で買ってもらうかしましょう。


現代文は、評論、小説、随筆のどのジャンルなのか、さらに作者名、タイトルを確認しておきます。評論が九割以上の出題率でしょうが、なかには小説や随筆を出す大学もあります。
どのジャンルにも対応できるように対策を立てておきましょう。


2 最新版が終われば、古い赤本を借りてさかのぼってやっておこう。


 これは高校や塾で、古い年度の赤本をストックしてあれば可能です。もしない場合は、クラブなどの先輩に赤本を持っていないか聞いてみる、他の高校や塾に行っている友達に相談して借りてもらうなど、入手方法はあります。すぐに返却しないといけない場合は、コピーをとっておきましょう。


3 設問のパターンや選択肢の数、記述の有無や字数などを確認しておこう。


 公募推薦で、マーク式かどうか、4択か5択か、漢字や語意の設問はあるか、などを知って対策を立てておくと本番でもあわてることがありません。
 ちなみに関西の人気校の近畿大学は4択です。5択よりは時間がかからないはずですが、2つまでは絞れても、どちらかに決めにくい紛らわしい選択肢もあります。

 

4 問題は目と手で解く


 以前にブログに書きましたが、問題を解くときは、本文を読みながら、大事だと思う部分に線を引くことを必ずやってください。目で読むだけでは、どこが大事だったか覚えていられません。手を使って線を引くことで、著者の主張がまとめられている部分や、結論の部分がつかみやすくなります。

設問を考えるとき、この線を引いて印を付けた部分を中心に考えます。選択肢を選ぶときの根拠になります。この根拠を探し出すのが入試現代文を解くということの本質です。

 

夏休みに十分やれなかった人もいるでしょう。二学期が始まって焦りを感じる人もいるかも知れません。


でも、今からじっくり赤本に取りかかれば、大丈夫です。過去問のパターンを知り、それに慣れて対策をしっかり立てておきましょう。

 

大岡昇平「現代小説作法」第十二章「人物について」 これから小説を書いてみたい人に

 

第十二章「人物について」

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大岡昇平「現代小説作法」より、これから小説を書いていみたい人に参考になるところを取り上げます。

 

主人公と副人物とは、決して同じようには描かれていません。この点については、これまでもたびたび授けをかりたフォースター「小説の諸相」にうまい区別があります。扁平人物(flat characters) と円球人物(rouund characters)の区別です。

 

 

フラット・キャラクターとラウンド・キャラクターという区別は初めて聞きました。


漱石の「坊っちゃん」からの説明です。

「赤シャツ」「野だいこ」「山嵐」「うらなり」と綽名がついているくらいですから、一つの観念あるいは性質を表しているのは明白でしょう。「赤シャツ」は夏でも赤シャツを着ている気取り屋の文学士で、同時に術策によって同僚の許嫁を奪う破廉恥漢、「野だいこ」は阿諛者、「山嵐」は反抗児、「うらなり」は弱気な旧家の息子と、それぞれ綽名の示す性質を持っています。
「扁平人物の大きな長所は、いつ登場しても、すぐわかることー固有名詞でまた出て来たなと気がつくという、読者の視覚的な目の作用によってではなく、読者の情緒的な目によってわかることです。(略)扁平人物が作家にとって非常に有用なのは、紹介のやり直しをしなくてもよいこと、けっして逃げないこと、性格の発展を見まもるに及ばず、自分自身で雰囲気を作り出していることです」とフォースターは続けています。

「扁平人物」とは、副人物の設定で、固定されたわかりやすいキャラクターと言ってよいでしょう。
では、「円球人物」とは、どういうものでしょうか。

フォースターの円球人物の人物の定義は、一つの文字あるいは文章に要約されえないということです。(中略)つまり小説中でわれわれの関心の中心をなすのは主人公ですが、作者が主人公の心理や行動を追求するうちに、その人物は自然と要約されがたくなってくるという事情がすでにあるからです。

 

 

 注意点として次のように指摘しています。

間違いはむしろ円球であるべき人物を扁平に書いたり、扁平人物が作品の中心に乗り出したりする場合に起こります。

 

以下で、有馬頼義の「失脚」という作品を例に挙げ、分析しています。私は未読なので、可否がわかりません。

円球人物と扁平人物を書き分けすることができればいいかというと、それだけでは不十分だそうです。
 

円形人物はあくまで円球、扁平人物はあくまで扁平では、劇は単調すぎます。理想をいえば、人物は全部円球で、その間に悠大な筋が進行すれば、それに越したことはないはずです。そうです。近代小説の大家は、それぞれの副人物を、ちょっとしたタッチで円球人物にすることを知っています。

 

 

なかなか初心者には難しそうですね。円球と扁平の書き分けでは済まず、人物は全部円球でという条件は、小説を書くハードルが高すぎます。

我が国の例として、紫式部(!)や樋口一葉を上げています。

そして志賀直哉の「暗夜行路」時任謙作を「円球に達していない。場面場面の小円球が、数珠つなぎにつながれたような印象を与えます。それでも藤村、漱石、潤一郎の主人公のように、人物の一部を切り捨てることによって、安定を保っているのよりは、ずっとましですが。」と述べています。
ここでも大岡昇平は、大家に厳しい点がうかがえます。

最後にフォースターの引用

「円球人物であるかどうかの基準は、それがわれわれを納得させながら驚かせることが出来るかどうかです。もしそれが少しも驚かさないなら、扁平です。納得させないなら、扁平のくせに丸いふりをしているのです。円球人物は人生ー小説中の人生ですがーの測りがたさを身辺に漂わせています」

 

円球人物と扁平人物の書き分けという視点、さらに主人公の人物像について、大岡昇平の考察を参考にして、小説を書いてみてはどうでしょうか。

 

トイレのタンクからの水漏れを自分で直してみたら、簡単にできました。ゴム玉の交換なら誰でもできそう。

 

トイレのタンクから便器に水が少しずつ漏れていて、気になる上に水道代が増加することを思うと、一刻も早く直したいと思い、検索してみました。

プロの業者の方や素人の方のも、たくさん情報があります。動画でもみられます。

それらを参考にして、ホームセンターで、取替用フロートゴム玉(大)を購入しました。INAX用のLIXILの製品です。大と小があり、解説でタンク内のストッパーよりはみ出している場合は大を使えとあったので、確認をして大にしました。

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部品を組み立てて、タンクのふたを開け、元のものを取り外し交換するだけです。

タンク内に黒カビや汚れがあり、ちょっと我慢します。古いゴム玉を触ると手が真っ黒に汚れました。劣化しているためです。これじゃ水漏れするのも無理ないなと思いました。

ゴム玉に案内棒というまっすぐな棒がついており、これを台座の穴に入れるのが少し手間取りました。しかし5分とかからなかったです。

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ボールタップというタンク内の水位を調整するものも交換しなければならないかと思いましたが、ゴム玉の交換だけでちょろちょろ音はなくなりました。

 

業者の方にお願いすれば、結構な費用がかかるでしょうが、今回は部品代1000円以下で修理できました。終わってスカッとしました。

 

DIYというほどの作業ではないけれど、少しの手作業で日常生活がほどよく維持されるのは、精神的にもいい効果がありそうです。

 

「毒になる親」スーザン・フォワード 講談社+α文庫を読んで考えた

 

 

 親に対して複雑な感情を抱いた時、どう自分の心を扱えばよいのかわからなくなってしまうことがあります。


そんな時のアドバイスとして役に立つのではないかと思った本を紹介します。

 

「毒になる親」スーザン・フォワード 講談社+α文庫です。

 

「毒になる親」とは、著者によると、「世の中には、子供に対するネガティブな行動パターンを執拗に継続し、それが子供の人生を支配するようになってしまう親がたくさんいる。子供に害悪を及ぼす親とは、そういう親のことをいう。」とあります。

 

あなたの親が毒親か、判断のヒントとしてあげられているのは、

1 あなたの親は、あなたの人間としての価値を否定するようなことを言ったり、ひどい言葉であなたを侮辱したり、ののしったりしたか。あなたを始終批判してばかりいたか。

2 あなたの親は、あなたを叱る時に体罰を加えたか。あなたはベルトやヘアブラシそのほかのものでぶたれたか。

3 あなたの親は、しょっちゅう酒に酔っていたり、薬物を使用したりしていたか。あなたはその光景を見て、頭が混乱したり、嫌な気がしたり、怖くなったり、傷ついたり、恥ずかしいことだと感じたことがあるか。

4 あなたの親は、いつも精神状態が不安定だったり、体が不調で、そのためにいつもひどくふさぎ込んでいたり、あなたをいつもひとりぼっちにして放っていたか。

5 あなたの親はいろいろな問題を抱えており、そのためにあなたは彼(彼女)の世話をしなければならなかったか。

6 あなたの親は、あなたに対して何か秘密を守らなくてはならないようなことをしたことがあるか。あなたに対して何らかの性的な行為をしたことがあるか。

7 あなたは親を怖がっていることが多かったか。

8 あなたは親に対して腹を立ててもかまわなかったか。それとも、親に対してそういう感情を表現することは怖くてできなかったか。

 

これらの要素がいくつか当てはまり、 どうも自分の親は「毒になる親」らしいという人は、どんな影響を受けるのでしょうか。

「一人の人間として存在していることへの自信が傷つけられており、自己破壊的な傾向を示す」ということである。そして、彼らはほとんど全員といっていいくらい、いずれも自分に価値を見いだすことが困難で、人から本当に愛される自信がなく、そして何をしても自分は不十分であるように感じているのである。

 

 自己肯定感が低くて、幸福感や充足感を感じることが少ない、自己破滅型の人生を送る可能性があります。

 

自分の人生は自分の力でいくらでも切り開くことができるというのが、私たちが受けてきた教育の基本です。「生きる力」を育むのが目標です。

しかし、毒親に育てられると、その「生きる力」は身につかないようです。

 

では具体的にどうすればいいのかは、この本を読んで学んでほしいと思います。

は、いつの日か自分の家が幸せな家庭になってくれたらという幻想を、今ここに捨てる。私は、もし親がああではなかったら、もしこうだったなら、などという希望や願望を、今ここに捨てる。私は、子供の時に親を変えるために何かできたのではないかという幻想を、今ここに捨てる。私は、愛情ある素晴らしい親を持つ事は永久にないであろうということを、今ここにはっきりと自覚する。私は、そのような親を持てなかったことを、深く悲しむ。だが私は、この現実をそのまま受け入れる。そして私は、すべての幻想には永遠に、そして心静かに、別れを告げる。

 

 

「毒になる親」とはショッキングな表現ですが、現実に毒親に苦しんでいる子供はたくさんいるでしょう。

私もそうですが、さらに、私の子供にとって、私自身が「毒親」になっていないかを点検する視点も必要だと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

徳島県立博物館に化石展を見に行ってきました。徳島化石研究会長 鎌田誠一氏のコレクションがすごかった。

 

徳島に帰省中、県立博物館で、興味深い展示があったので行ってみました。

「太古の生命・化石を求めて」の著者 鎌田誠一氏のコレクションです。

 

以前にこの書物を購入し、鎌田氏の化石に対する深い思いと貴重な経験の数々に感動していたので、ぜひみたいと出かけました。

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徳島県立博物館のホームページの紹介文を引用します。 

 

徳島県在住の化石愛好家である鎌田誠一氏(徳島化石研究会長)は、長年、徳島県内外で化石採集を続けられ、数百点を超える化石コレクションを所有しています。2005年、これらの化石コレクションの内110点を掲載した書籍「太古の生命・化石を求めて ―出会いと感動、悠久のロマンを求めた我が人生―」を自費で出版されました。これらの110点の化石は、2017年1月に徳島県立博物館に寄贈されました。

この展覧会では、鎌田誠一氏より博物館に寄贈された徳島県内外の貴重な110点の化石を一堂に紹介します。

 

主に徳島県産の化石に関心があったので、勝浦町や上勝町で出たアンモナイトや二枚貝類の化石は、貴重でこんな色の石に入っているのかと大変参考になりました。

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何度も採集に行っていますが、全くこのような立派な化石に出会ったことはありません。

徳島だけでなく、日本各地のいろいろの時代の化石が展示されていました。

 

鎌田氏は多くの人との出会いを非常に大事にされて、交友を深められています。書物には、そんなエピソードがたくさん載っています。人との出会いがこれら多種多様な化石の発見につながっているのだろうと推し量りながら見学しました。

 

私の場合は、全くの単独行で、深い山の中にも一人で探しに行きます。気楽ですが、危険な面もあり、家族に心配をかけています。

また、産地の情報も皆無なので、適当に目星をつけていくという効率の悪い採集になっています。だから、ほとんど空振りなのです。

 

人とのつながり、化石を通じた結びつきが大切だなと思いました。

 

夏休みの研究に、ぜひおすすめです。