今年(2023年度)の共通テスト国語第1問を解いてみました。
何かと話題にあがる共通テストはどうだったのかを分析します。
第1問は評論です。出典の「視覚の生命力ーイメージの復権」柏木博は、早稲田大学法学部2019年に出題されていました。本文の箇所は異なりますが。
以下の赤の波線部は、解答の根拠になると思う部分に私が線引きしたものです。
問1の漢字は、標準的で、全問正解できるでしょう。
語句の意味です。これも標準的。2問とも正解はたやすいでしょう。むしろ拍子抜けするかもしれません。
問2 最初の引用文に根拠があります。画像の1ページで問2と書き込んでいる箇所の傍線部が根拠です。読解ができていれば、たやすく正解を絞れます。
問3 引用文の「外界を二次元の平面へと変える」を踏まえれば正解が絞れます。
複数資料を出題する方針から考えると、「引用文に正解の根拠がある」はずですね。
読解に関係のない引用文をそもそも使わないですから。
問4 選択肢1が紛らわしいですが、「風景がより美しく見えるようになる」が×です。正解の5は「かえって広がりが認識されるようになる」が本文では「そこに水平線の広がりを求める」とあるので、こちらが適切と判断します。ちょっとややこしいですね。
問5 根拠となる部分が広い範囲にたくさんあり、(画像4ページと5ページ)「動かぬ視点」「沈思黙考」などの根拠から正解3を選びます。少し時間がかかる設問です。
問6 共通テストでお約束の「話し合い」問題です。
このタイプの問題は、複数資料の読解や思考を問うといった狙いがあるということですが、私は本来の国語の読解力とは次元の異なる設問だと思っています。個人的には重要性を認めていない設問なので、案の定、間違ってしまいました。集中力が切れたことも原因かもしれません。
もちろん、受験生のみなさんは、そうならないように集中して取り組んでください。
(ⅰ)3が紛らわしいですが、「窓の機能には触れられていない」が×
(ⅱ)消去法で2が正解です。
(ⅲ)4が紛らわしいですが、本文の最後の段落を踏まえると3が正解です。
さて、解いてみた感想はどうでしょうか。
私は、選択肢が迷うのがいくつかあって、全問正解することができませんでした。天敵の「「話し合い」新傾向問題に対処すべく、研究したいと思います。
感想としては、2年後の新学習指導要領を履修した受験生への問題がどう変わるのか、なんとなく見えてきたなということです。
おそらく長文の、本格的な評論文は出題されなくなり、今回のように複数の出典から、しかも引用文が多数の文章が出されるでしょう。
問題の傾向が変わるのは仕方がないとして、受験生の立場で考えると、共通テストと難関私大と併願するなら、両方の対策を別々にやっておかないといけなくなると思います。
なぜなら、難関私大は、長文でじっくり深く読解させる評論が出題されるからです。
これには情報処理力の早さだけでは対応できません。
普段は従来のじっくり読解しないといけないタイプの過去問を解いて勉強し、模擬試験の前や共通テストが近づいたら、複数資料、話し合い、情報処理力対策の勉強をするのが適切かもしれません。