大学入試センター試験に代わり、2020年度から「大学入学共通テスト」が実施されます。今の中学3年生が、高校3年生になって受験することになります。
国語と数学で記述問題が出題されるので、国語の教師としては気になるところです。
高校の授業で現代文の問題をやらせると、選択式の問題はできるが、記述式はできない生徒が多いです。たとえば、「30字から40字で説明せよ」という問題があると、できないというより、書かない、空白のままです。苦手意識が強く、敬遠しているようです。
河合塾に解説記事があったので、見てみましょう。
こう変わる!大学入試 〜2020年度からセンター試験に代わる試験を実施〜|Kei-Net
国語と数学で記述式問題を出題
現行のセンター試験は全てマークシート方式で実施されていますが、「共通テスト」では一部で記述式問題が導入されます。当初は国語と数学で実施され、2024年度以降からは地理歴史・公民や理科分野に広げることが検討されています。
国語は、80~120字程度で答える問題を3問程度、古文・漢文を除く範囲から出題されます。記述式の導入に伴い、試験時間は現行の80分から100分程度に延長されます。数学は、「数学Ⅰ」「数学Ⅰ・数学A」受検者を対象に、「数学Ⅰ」の範囲から3問程度出題されます。試験時間は現行の60分から70分程度に延長されます。この記述式問題の結果は、3~5段階程度の段階別で評価される予定です。
大学入試センターのホームページには、新たに実施される国語と数学の記述式問題のモデル問題が公表されています。国語では、架空の市の「景観保護ガイドライン」を題材にした複数の文章を読み設問に答える問題と、「駐車場使用契約書」を題材に賃借間に生じるトラブルに絡めた設問に答える問題の2問が示されました。数学では、2次関数の応用問題と、公園の銅像が見えやすい位置や角度を三角比などを用いて算出する問題が示されました。いずれも、思考力や表現力を問うというテストの方向性や、学んだことを実生活に即した場面で活用できるかを意識した内容となっています。
「国語は、80~120字程度で答える問題を3問程度」とありますが、これは誤解を招く表現です。
大学入試センターの公表した資料では「80~120字程度の問題を含め3問程度」としています。
つまり「80~120字」の問題は少なくても1題は出題するの意味であって、記述は「80~120字」が3題程度出題するの意味ではありません。
試行テストの例を見ると、「記述式の問題は、小問3問で構成される大問1問を出題します。小問3問の解答字数については、20字程度、40字程度、80~120字程度をそれぞれ1問ずつ出題し、問題の内容や正答の条件の設定、段階別評価の在り方等に関し検証を行います。」とあります。注意しましょう。
記述問題対策としては、まずは本文の要約をする。次に、著者の主張や本文の要点を20字~40字で説明する、80字~120字で説明するなどで記述に慣れていくのがよいでしょう。
以前に国語記述式問題例について記事を書いていますので、参考にしてください。
以下を参考にしてください。
高大接続改革の実施方針等の策定について(平成29年7月13日):文部科学省
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/29/07/__icsFiles/afieldfile/2017/07/18/1388089_002_1.pdf