「教育虐待 気づかぬ親」という記事が、10月28日の読売新聞夕刊に掲載されました。
「教育虐待」という言葉は、聞き慣れないものです。「児童虐待」のニュースは、毎日のように気が滅入るほど目にしますが、今回の記事の内容は、今まで目にしたことのないものでした。
では「教育虐待」とは、どんなものでしょうか。
この記事によると、教育虐待の特徴は、「子どものためと言いながら、本当は『こうあってほしい』という親の欲求が行動の背景にある」ということです。
子どもを自分の思うとおりに支配したいという親は、まさに「毒親」そのもの。
さすがに読売新聞は、「毒親」という言葉を見出しには使わずに、記事中で「毒親」という言葉が使われ出した、と紹介するにとどめています。
「毒親」については、以前に記事を書いていますので、参考にしてください。
記事にある、「子どもの幸せのためには、必ず偏差値の高い学校へ行かなければならない」と考える親はよくいます。
面談で志望校のことを聞くと、「親が〇〇大学以上でないと受けさせないと言っている」、「そんな偏差値の低い大学に行っても就職できないと言われた」などの声を聞くことがあります。
「教育虐待」という言葉そのものは、学校現場では耳にしたことがありません。
しかし、それにつながるような言動をする親の話はよく聞きます。
たちが悪いのは、親本人はそれが子どもを追い詰めているとは思っていないことです。むしろ、自分は子どもの幸せを思っていると考えています。
この記事を読んで自分もあてはまるかもと自覚する親は少ないかもしれません。そこが、「教育虐待」のやっかいな点です。
「毒親」の存在とそれへの対処法を知ることが、「追い詰められない」ために必要なことです。
「毒親」への対処法についての記事はこちら。
新聞記事に「教育虐待」という言葉が出たのは、「毒親」の存在を知らせる意味ではよいことです。
今後、読売新聞には、もう一歩踏み込んだ記事もお願いします。