bluesoyaji’s blog

定年後の趣味、大学入試問題の分析、国語の勉強方法、化石採集、鉱物採集、文学、読書、音楽など。高校生や受験生のみなさん、シニア世代で趣味をお探しのみなさんのお役に立てばうれしいです。

初心者ですが、練習用小型ギターアンプのスピーカーを交換してみました。Fender champion600 JENSENスピーカー

 

使っていなかったギターアンプ Fender champion600のスピーカーをJENSENのスピーカーに交換してみました。

f:id:bluesoyaji:20190210201006j:image

結果は、高音がよく出るようになり、音がきらびやかになった印象があります。

私はストラトキャスターの音が好みなので、交換した結果に満足しています。

音の好みは人それぞれ違うので、あくまで参考までに。

 

楽器の修理や改造の知識も経験もありません。

全くの初心者の私ですが、ただ、ネットには多くの参考例があり、今回は簡単にできそうだったので、挑戦してみようと思ったのです。

ところが、これが後で困ることに・・・

 

f:id:bluesoyaji:20190210201042j:image

ネジを外し、引っ張っても、裏のカバーが外れません。

あちこち押したり引っ張ったりしてもダメ、ネットでも情報を探しても解決法は見当たらず、どうしようと思いました。出だしでつまずくなんて。

やけくそになってカバーを思いっきり引っ張ると、ベリッと音がしてはがれました。

本体とくっついていたようです。

f:id:bluesoyaji:20190210201059j:image

ホッとして、次は回路部を引き出す。

おや、ネジを外したのに出てこない。途中で引っかかる。

回路基板と真空管がついているので、手荒なことはできない。どうしようか。

しばらく考えて、また力ずくで引っ張ってみると、やっと外れました。

中をのぞくと本体部にアルミが貼られており、それが引っかかって破れている。

仕方ないなと思い直して、次の作業へ。

f:id:bluesoyaji:20190210201245j:image

Fender純正のスピーカーを外し、JENSENを装着する作業。

このとき、スピーカーケーブルにプラスとマイナスがあり、よくわからないまま反対をつけてしまったので、直します。これでいいはず。

回路基板を戻し、裏のカバーを取り付け、完成。

ストラトをつないで音出しの確認をすると、全く音が出ていない。

ああやっぱり、シロウトがやってはいけないんだ、プロに任さないとダメなんだ

とがっかりしました。

でもあきらめきれずに、またネジを外し、回路基板を引き抜き、スピーカーケーブルをきつめにつなぎ直してみました。

f:id:bluesoyaji:20190210201313j:image

そしてギターをつないで音が出た時は、拍子抜け。

 

なんや、簡単やん。

ちょっと接触が悪かっただけ。

これならシロウトでもできる、と我ながら勝手な感想を持ちました。

 

 

 

 

 

著者の熱量が半端なく高く、読者は感染すること間違いない。「宇宙を目指して海を渡る」 小野雅裕 東洋経済新報社 を読んで考えた

 

「宇宙を目指して海を渡る」 小野雅裕 東洋経済新報社 を読んで考えた

f:id:bluesoyaji:20190210192938j:image

夢を持つこと、夢に向かって努力し続けることの大切さを教えてくれた。

著者の熱量が半端なく高く、読者は感染すること間違いない。

おっさんの私でも、やる気が湧いてきた。若いみなさんにはぜひお薦めします。

 

印象に残った部分を引用します。

p128

ドラッカーが十三歳の頃に教師に投げかけられたという、この言葉を思い出してほしい。「あなたは何によって記憶されたいか。いま答えられなくてもいい。でも、五十歳になっても答えられなければ、あなたは人生を無駄にしたことになる」


p155
「人が旅をするのは目的地に到達するためではなく、旅をするためである」

*ゲーテの言葉

p156
そしておそらくあなたは、ゲーテが先の言葉で人生を旅に例えていることに気づかれたと思う。決して失敗しない人生を送るために、高校時代を大学受験のために過ごし、大学時代を就職活動のために過ごし、就職したら安心した老後を送るための貯金を作ることにいそしんで、その先にある「目的地」とはいったい何だろう?死だ。死でしかないではないか!だから、かのゲーテの言葉はこう言い換えることができよう。「人が生きるのは死ぬためではなく、生きるためである」と。

p157
「PKを外すことができるのは、PKを蹴る勇気を持ったものだけだ」

*ロベルト・バッジョ

p159
「何にも失敗しないためには、死んだように及び腰になって生きるしかありません。しかしそんな人生は、元から失敗です」

*J・K・ローリング

p191
そう、人生における夢の役割とは、航海における灯台の光のようなものなのだ。叶うことも叶わないこともあろうが、それよりももっと本質的なのは、進み続けることだ。人生の荒波や暗闇の中、針路を定めるために必要なのが、夢という灯台の光なのだ。


p192
夢とは渇望だ。たとえば、あなたが砂漠で迷い、灼熱の中、三日間一滴も水を飲めなかった状態を想像してほしい。あなたは心の底からコップ一杯の水を欲しがるだろう。それが夢だ。夢とは生理的に渇望するものだ。断たれた時に死ぬほどの苦痛を覚えるものだ。

 *~は、私が注として記入したものです。

 

著者の能力や受けてきた教育のレベルの高さは言うまでもないが、なによりも「宇宙」を目指すその夢への思いの強さに圧倒される。

著者のような人は特別な存在で、私ら凡人は、とても及ばないし、参考にならない、と思いがちだが、そうではない。

読み進めるうちに、ああ自分も夢を実現したい、と思えるようになってくる。

うずうずしてくる。がんばれそうな気がしてくる。勇気とやる気を与えてくれる本だ。

こんな本は珍しいと思う。

 

第4章の国語力に関する意見も国語教師として大賛成だ。

 

若いみなさんもそうだが、自分の人生を生き切れていないなと感じるすべての大人にお薦めします。

 

 

 

 

「勉強の哲学 来たるべきバカのために」千葉雅也 文藝春秋 が学び直しのきっかけになりました シニア世代にもおすすめ #勉強の哲学 #千葉雅也 #読書感想 #学び直し

 

「勉強の哲学 来たるべきバカのために」千葉雅也 文藝春秋

f:id:bluesoyaji:20190204220751j:image

 

たいへん参考になったので、紹介を兼ねて感想を書きます。


おもしろく読み終えました。しかし、一部難解で私の頭では理解できなかったところもありました。
印象に残った箇所を引用します。

ツッコミ=アイロニーとボケ=ユーモアが、環境から自由になり、外部へと向かうための本質的な思考スキルである。

関西人にはたいへんわかりやすい比喩です。ボケとツッコミが哲学になるなんて驚きです。

「まとも」な本を読むことが、勉強の基本である。

 

難しげな言い方が出てきても、「そういう言い方をするもんなんだ」と冷静に読んでいくこと。中略 その分野=環境における言い方=考え方のコードを、メタに観察するのです。
そのために重要なのは、自分の実感に引きつけて理解しようとしないこと。「実感に合わないからわからない」では、勉強を進めようがありません。
そもそも、これまでの自分にとって異質な世界観を得ようとしているのだから、実感に合わないことが書いてあって当然なのです。むしろ、「なんでそんなふうに考えるの!?」と気味悪く、時には不快に思うこともあるような考え方を学んでこそ、勉強なのです。

 

 

今まではわからないことが出てくるとそこから読書が進まず、投げ出してしまうことがよくありました。
しかし、こだわらずにどんどん読んでいく姿勢が必要だと思いました。

なんとなく読み散らかしているだけでは、自分が考えたことなのか、どこかに書いてあったのかわからなくなってしまいます。そうすると、他人のアイデアと自分のアイデアがごっちゃになり、気づかないうちに、パクリをしてしまうということが起こりかねない。
 どこまでが他人が考えたことで、どこからが自分の考えなのかをはっきり区別して意識しなければならない。
中略 何という文献に、文字どおりにどう書いてあったのか、何ページなのかを明確に書き、それと区別して、自分の理解をメモしておく。勉強を続けるというのは、そのように「出典」ー文献の名前とページ数、さらに出版年などーを明記した読書ノートをつけ続けることです。

 

 

たくさんの本を読んできたけど、何も頭に残っていないような気がする。これが最近の実感でした。単に読むだけではダメなんですね。
これからは読書ノートをつけることをやっていきたい。

 

高校生や大学生のみなさん、働いている方、また定年後の学び直しを考えている人など、あらゆる年代におすすめの本です。

 

 

国公立大学二次試験 2018年東京大学 入試問題 国語第二問「太平記」を解いて考えた

 

東京大学の2018年入試で、不倫を題材にした古文が出題されていた。このご時世に、なぜ不倫問題なのか考えてみた。


国語第二問「太平記」

f:id:bluesoyaji:20190204185245j:plain

f:id:bluesoyaji:20190204185304j:plain

f:id:bluesoyaji:20190204185313j:plain

f:id:bluesoyaji:20190204185324j:plain

解答例は河合塾解答速報より引用しました


高師直は、人妻になっている女に手紙を出す。わざわざ兼好法師に書かせたが、女に読んでもらえず、庭に捨てられてしまう。師直は「今日よりその兼好法師、これへ寄すべからず」と怒り、出入禁止にしてしまうのである。

そもそも隠遁者に恋文を発注する方が間違っていると思うのだが。恋や欲を捨てて世捨て人になっている兼好からすれば、権力者師直からの恋文代筆の命令はいい迷惑だったのかもしれない。

まあ作り話としても、太平記作者が兼好法師に批判的であることが見て取れる。


さて、薬師寺次郎左衛門公義という者が現れ、師直はこの男に相談する。
公義は和歌のみ書いて女に送る。女の反応を仲立ちから聞いて公義は、これは脈ありだと判断する。師直は喜び、公義に褒美を与える。


他愛もない話だといえばそれまで。
東大がなぜこんな不倫に関する題材を出題したのかについて考えてみる。


師直の時代に不倫という現代のような概念はなかっただろうから、不倫の善悪は問題ではない。

権力者が美しい女性を、たとえ人妻であっても、求めるのはよくある話だ。


ポイントは、公義が女の本心を読み解くところだ。くどくどと手紙を書いて送るのではなく、和歌を送り、その返事から出典の新古今の和歌を想起し、歌意を読み解く。公義は武士でありながら、歌道にも心得がある点を師直は大いに喜び、賞賛する。


このことから推測すると、この古典問題には、専門バカでなく、幅広い教養を持ち、人情の機微を理解し、臨機応変に対応できる、公義のような人材になれというメッセージが込められているのではないか。

権力者に忖度することだけが部下のあり方ではないだろう。


「太平記」は、岩波文庫で全六巻 兵藤裕己校注ででています。

 

2019年センター試験国語の第1問、評論の本文が、問題集ですでに使われているものだった やってた人は超ラッキー 出題者はもっとリサーチしてください #センター試験 #センター試験国語 

 

今年2019年のセンター試験国語の第1問、評論の本文が、問題集ですでに使われているものだった

 

センター試験の問題はここから。

https://nyushi.sankei.com/center/19/1/exam/3910.pdf

 

桐原書店「現代文アチーブ2三訂版」18番の問題
「翻訳をめぐる七つの非実践的な断章」沼野充義

f:id:bluesoyaji:20190126194044j:image

センターの本文の範囲は、問題集の本文に前後が加えられた形となっています。

f:id:bluesoyaji:20190126194106j:image

出版されていない文章の上に、さらに切り取るところが同じなんて、どんな確率ですか。


普通はこんなことはありません。


センター試験の問題作成者は、この問題集を見て作ったのではと疑います。

 

設問も「ヒンシュツ」すると「翻訳を回避する技術」の2箇所が同じ。


漢字の書き取りの「ヒンシュツ」が被っているなんて悪い冗談かと思いますよ。

 

この問題集で、この文章をやっていた人はラッキーでした。一度読んだ文章が出ると、楽勝です。

 

今年の国語は易しかったという評判で、平均点も16点上昇(1月25日の中間発表)したらしいです。

 

受験生にとっては、国語で点が取れたことはよかったと思いますが、出題の公平性に難ありだったことは残念でした。

 

来年でセンター試験は廃止されます。
大学入試共通テストでは、記述問題も出題されます。

 

大学入試センターは、今回のような既存の問題集などと被りがないよう、十分に準備して問題の作成をしてください。

 

米津玄師さんの2019TOUR 脊椎がオパールになる頃 タイトルの意味を調べてみて、米津さんが鉱物に詳しいことが判明しました  #米津玄師 #脊椎がオパールになる頃

 

米津玄師 2019TOUR 脊椎がオパールになる頃

このタイトルの意味が気になり、調べてみました。


オパールとは、蛋白石(たんぱくせき)とも呼ばれ、「水を含んだ非晶質の酸化ケイ素で、時間がたつとしだいに石英化していく」鉱物のことです。


宝石として知られ、遊色と呼ばれる光の効果がたいへん美しいものです。
見る角度によって、緑や青や赤の光が燃え上がるように動きます。

国内では、福島県宝坂のオパールが有名です。
「宝坂の蛋白石は日本で産する蛋白石の中でも赤や緑の美しい遊色が現れ、宝石として通用する数少ないものである。」

カギカッコは引用 『日本の鉱物』監修 益富地学会館 成美堂出版より

f:id:bluesoyaji:20190112112155j:image

 

宮沢賢治の『貝の火』という短編にオパールが出てきます。

ホモイは玉を取りあげて見ました。玉は赤や黄の焔をあげて、せわしくせわしく燃えているように見えますが、実はやはり冷たく美しく澄んでいるのです。目にあてて空にすかして見ると、もう焔はなく、天の川が奇麗にすきとおっています。目からはなすと、またちらりちらり美しい火が燃えだします。

宮沢 賢治. 『宮沢賢治全集・283作品⇒1冊』【直筆水彩画・関連作品つき】 (Kindle の位置No.3621-3629). Kenji Miyazawa Complete works. Kindle 版.

f:id:bluesoyaji:20190112112217j:image

小さいですが、参考まで

 

『貝の火』はオパールという語は出てきませんが、主人公ホモイに贈られた宝石は、オパールです。
ちなみに、この短編小説は、父と子の物語としても読める作品です。深いですね。

 

では「脊椎がオパールになる」とは、どういうことでしょうか。

 

オパールを調べてみると、貝の化石がオパール化しているとか、アンモナイトや恐竜の骨がオパール化しているといった例がありました。
オーストラリアやアメリカで発見されています。


恐竜が生きていたのは、白亜紀と呼ばれる時代で、およそ1億年前の頃です。
オパール化するには気の遠くなるような長い年月がかかるのです。


仮に、人間の脊椎がオパールになるとしたなら、永遠と言ってよいほどの時間の経過が必要です。

したがって、「脊椎がオパールになる頃」とは、悠久の時間、永遠の時間を表現しているのではないでしょうか。

 

宮沢賢治は「石っこ賢さん」と呼ばれるほどの鉱物好きでした。
米津玄師さんも、「アイオライト」(Loser)や「フローライト」というように、鉱物名を歌詞に用いています。石好きなのかな。気になります。

 

大学入学共通テスト 2018年試行テスト 国語 記述問題を解いてみてわかったこと

 

センター試験が廃止され、共通テストが始まります。

2018年11月に全国で行われた試行テスト(プレテスト)の国語の記述問題を解いてみました。

問題はこちらにあります。

https://www.dnc.ac.jp/sp/daigakunyugakukibousyagakuryokuhyoka_test/pre-test_h30_1110.html

 

結論を言うと、恐るるに足りず、ということです。

 

実際に問題を読んでみてください。それを前提に説明します。

 

問1は「傍線部A~とはどういうことか。三十字以内で書け」という説明問題。

傍線部A「指差しが魔法のような力を発揮する」

 

下書き

ことばの通じない国で指差しで相手に頼んだり尋ねたりするコミュニケーションが十分とれること

 

Aの直前、直後の文から抜き出しました。

これを三十字以内にします。

 

ことばの通じない国で指差しでコミュニケーションがとれること。

これで三十字です。

 

解答例はこうなっています。

 

例1 ことばを用いなくても意思が伝達できること。

例2 指さしによって相手に頼んだり尋ねたりできること。

例3 ことばを用いなくても相手に注意を向けさせることができること。

 

正答の条件は次の3つ

 

① 30字以内で書かれていること。

② ことばを用いない、または、指さしによるということが書かれていること。

③ コミュニケーションがとれる、または、相手に注意を向けさせるということが書かれていること。

 

自己採点してみると、①はクリア、②も「指差し」でOK、③「コミュニケーションがとれる」でOKでした。

 

下書きにあった「相手に頼んだり尋ねたりする」を使っていてもOKですね。

ただ、「ことばの通じない国で」という状況設定の部分は必要なかったみたいですね。

 

問1は傍線部の前後の部分だけで解答ができあがりました。難しくないでしょ。

参考に問題を解いた時の画像を乗せておきます。

f:id:bluesoyaji:20190101190927j:image

問題を読む時に注目する部分に線を引いたり、囲みをつけたりすることを心がけてください。

 

問2以降は次回に。

 

 

ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。 エレイン・N・アーロン著 冨田香里訳 SB文庫

 

ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。
エレイン・N・アーロン著 冨田香里訳
SB文庫

f:id:bluesoyaji:20180904175456j:image

Highly Sensitive Person 「HSP」非常にセンシティブな人 とても敏感な人について書かれた本。

「訳者まえがき」から引用。 

同じ刺激を受けても、他の人より強く反応してしまう。ちょっとしたことにもすぐに動揺してしまう。「神経質」「臆病」「弱虫」などのレッテルを貼られがちなあなたがこの本の読者です。

 

「繊細」という言葉が気になり、何冊かの本を読んでみた。どれも、この本が元になっているようなので、じっくり読んでみた。

感想は、

翻訳本なので、どうしても意味がつかみにくい箇所があった


内容が多岐にわたるので、やや根気の要る読書になった


最終章の「魂とスピリット」は、いわゆるスピリチュアルなことが取り上げられている。個人的にはスピリチュアルなものについて、批判的にみているので、読んでも納得は出来なかった。これはあくまで、個人の感想。客観的な評価ではない


自分自身が「HSP」の要素が当てはまると思っているので、現実生活での対処方法などは大変参考になった


高校生などの若い人に関する記述を引用して紹介しておく。

「第四章 子供時代と思春期を新しい目で捉え直す」から
「特別に才能豊かな子供」の「特別な才能のある自分」の親になる

一、自分の行動や業績でなく存在そのものを評価する
二、結果としての成功ではなくて、今までやったことのないことに挑戦したことや、新しいことを学習したというプロセスを誉める。
三、他の人と自分をつねに比較しないように。過当な競争心を招くだけだ。
四、他の特別な才能のある人々と交流を持つようにする。
五、スケジュールを詰め込みすぎないように。考えたり、物思いにふける時間を自分に与える。
六、自分に対して現実的な期待を持つ。
七、自分の能力を隠さない。
八、自分の弁護士になる。自分自身でいるための権利を守る。
九、自分の興味の幅が狭かろうが広かろうが、それをそのまま受け入れる。 

 

 

 

東京医科大学 不正入試について考えた その2

 

東京医科大学のホームページに掲載されている入試結果です。

f:id:bluesoyaji:20180830184726j:image

一般入学の、一般入試の項目で、第1次試験合格者が第2次試験にどれだけ合格したのか、その比率を計算してみました。

 

男子 303→141 合格者46.5%

 

女子 148→30  合格者20.3%

 

女子が極端に絞られているのがわかります。

ちなみに、1次は学力試験(理科、英語、数学)、2次は小論文、面接、適性検査。

 

 

次に、現浪別統計表です。

f:id:bluesoyaji:20180830184737j:image

 

受験者数と入学者数を比べて見ると、「誰でもわかるやん」と思わせる結果に唖然としました。

あきらかに女子と多浪生に厳しいことがわかります。

よく堂々と公表していますね。ある意味、感心します。

隠す(公表しない大学)よりましですか。

 

これはあかんでしょ。どんな理由をつけてもダメ。

 

将来の日本を支える人たちを翻弄しておいて、大学としてどう対処するのか。

また、文部科学省は東京医科大に対してどういう指導をするのか。注目していきます。

 

東京医科大学の不正入試問題を考えた

 

東京医科大学の不正入試問題が報道されて、いろいろ考えるところがありました。

次の図は、ベネッセが公表している入試結果から、成績の各層における合否数を抜き出して比較したものです。

全受験者の合否結果ではないので、そこはご注意ください。

 

私立大合否分布(一般入試 募集単位集計)      
ベネッセ 2018入試結果調査 私立大・短大・専修学校・各種学校  
偏差値は2017年度進研模試3年生7月記述と10月記述    
合格者数、不合格者数はこの調査で集計できた数    
             
  東京医大 東京女子医 大阪医大
偏差値 合格 不合格 合格 不合格 合格 不合格
80~85 7 6 2 1 26 8
75~79 24 45 10 3 53 32
70~74 38 120 21 34 20 92
65~69 22 173 18 78 9 90

 

比較対象として、東京女子医大、大阪医大を選んだ。

東京女子医大は女子学生のみということで、性別による偏りが一切発生しない。

大阪医大は、ベネッセの偏差値が東京医科大と同じ66である。

 

数値を見るポイントは、成績が上位すなわち偏差値が高い割に、不合格となるケースがどのくらいあるか、逆に、成績が下位の割に合格となったケースを調べてみた。

そこに学力成績以外の要素が入り込む余地がどの程度あるかを見るためである。ただし、あくまで可能性である。

 

まず目に付くのは、東京医科大の成績が最高位(偏差値80以上)の合否が7人対6人、ほぼ対等の割合であること。

東京女子医大は2人対1人、大阪医大は26人対8人である。

ちなみに東京大学理科Ⅲ類(医学部)は、35人対30人である。

東京医科大では偏差値80以上の成績でも、けっこう不合格になっていることが気になった。

 

次に、偏差値75~79の層の合否を見てみる。

東京医科大 24人対45人

東京女子医大 10人対3人 

大阪医大 53人対32人

この層では東京医科大は不合格が2倍、他校は合格者のほうが多い。

 

さらに気になる数値は、東京医科大の偏差値65~69の合格者数が22人。

東京女子医大18人対78人、大阪医大は9人対90人。

大阪医大と比べると、東京医科大はけっこうな合格数があることが気になった。

 

つまり、東京医科大は、成績上位者でも不合格となり、下位者でも合格する割合が一定数見られるということである。

 

これらの傾向は、医学部受験を指導する立場の人(予備校、塾、進学校の教師、情報産業の従事者)なら、気づくことではないか。

 

このデータは、男女比率がわからない数字なので、正確ではないことはお断りしておく。

 

本来、学力成績が上位にもかかわらず、女子であること、多浪生であることを理由に点数を操作され、不合格になった人が大勢いるというこの事実に、今まで誰も気づかなかったのだろうか。気づいていても、声を上げず黙認してきたのだろうか。

 

実際に東京医科大を受験し、不合格になった女子、多浪生の心中を思うと、何とも言えない気持ちになる。

 

医学部を目指すような優秀でこころざしの高い若者を愚弄する今回の問題をどう解決するのか。大学と国の責任が問われている。