bluesoyaji’s blog

定年後の趣味、大学入試問題の分析、国語の勉強方法、化石採集、鉱物採集、文学、読書、音楽など。高校生や受験生のみなさん、シニア世代で趣味をお探しのみなさんのお役に立てばうれしいです。

文学

米津玄師さんの2019TOUR 脊椎がオパールになる頃 タイトルの意味を調べてみて、米津さんが鉱物に詳しいことが判明しました  #米津玄師 #脊椎がオパールになる頃

// 米津玄師 2019TOUR 脊椎がオパールになる頃 このタイトルの意味が気になり、調べてみました。 オパールとは、蛋白石(たんぱくせき)とも呼ばれ、「水を含んだ非晶質の酸化ケイ素で、時間がたつとしだいに石英化していく」鉱物のことです。 宝石…

「失われた時を求めて」どの訳が読みやすいかをくらべてみました 長編小説の読了に挑戦

最新の記事はこちらです。 www.bluesoyaji.com // 「失われた時を求めて」 1スワン家のほうへ Ⅰ吉川一義訳 岩波文庫 長いこと私は早めに寝(やす)むことにしていた。ときにはロウソクを消すとすぐに目がふさがり、「眠るんだ」と思う間もないことがあった。…

買ったのに読み切れない長編小説ベスト3

// 買ったのに読み切れない長編小説ベスト3 1「失われた時を求めて」プルースト これは高遠弘美訳の光文社古典新訳文庫 有名な小説なので、必読だろうと購入したが、第1巻「スワン家のほうへ」最初のあたりで挫折したまま。別の訳の岩波文庫版も購入して…

「永訣の朝」のリアルな情景が描かれた回想録 賢治の妹が見た賢治の姿

// 宮沢賢治の妹シゲが賢治を描いた回想録を残していたそうです。 本日(2017年12月1日)の読売新聞に記事が出ていました。 賢治と言えば、「永訣の朝」。 高校の現代文の教科書では定番の教材です。 全国の高校生数十万人が読んでいるはず。 これを授業でや…

大岡昇平「現代小説作法」第十二章「人物について」 これから小説を書いてみたい人に

// 第十二章「人物について」 大岡昇平「現代小説作法」より、これから小説を書いていみたい人に参考になるところを取り上げます。 主人公と副人物とは、決して同じようには描かれていません。この点については、これまでもたびたび授けをかりたフォースター…

これから小説を書いてみたい人に 大岡昇平「現代小説作法」ちくま学芸文庫がおすすめ 第六章 「プロットについて」を読んで考えた

// 「現代小説作法」第六章 「プロットについて」 私は、小説は筋があるものが好みなので、プロットという語に惹かれて読みました。まずはプロットの説明です。 プロットは普通「筋」と訳され、ストオリーと混同されがちですが、実ははっきりした区別があり…

これから小説を書いてみたい人に 大岡昇平「現代小説作法」ちくま学芸文庫がおすすめ 続きです。国士舘大学の入試問題でも出題されていました。

// 前回、大岡昇平の「現代小説作法」ちくま学芸文庫を紹介しました。 今回も、続いて紹介します。武庫川女子大学の他に、2017年の国士舘大学でも出題されていたのを見つけたからです。 国士舘大学では、「現代小説作法」の第二十二章 「文体について」…

これから小説を書いてみたい人に 大岡昇平「現代小説作法」ちくま学芸文庫がおすすめ

// 「現代小説作法」大岡昇平 ちくま学芸文庫 25章まであり、たとえば、16章は「モデルについて」。実践的な内容が、語り口調で書かれています。 この本を知ったきっかけは、大学入試問題です。 武庫川女子大学の推薦入試問題で、この16章「モデルにつ…

文学部って何の役に立つの? よくある問いに対する大阪大学文学部長の金水敏さんの言葉がすばらしかったので、紹介します。

// headlines.yahoo.co.jp 文学部で学ぶ意義について、語られた内容が、本質を突いていて同感しました。 大阪大学文学部長の金水敏さんは、文学部で学ぶことは、他学部のように実用、効用を目指すものではないと語ります。 以下は、印象に残る部分です。引用…

大西巨人 闘争する秘密 石橋正孝 左右社を読んで考えた 「神聖喜劇」の漫画版と若い読者について

// 大西巨人 闘争する秘密 石橋正孝 左右社 を読んで、「神聖喜劇」の漫画版と若い読者について考えてみました。 第一部 初期 第一章「走る男」あるいは<孤独>の軌道 「神聖喜劇」の漫画版が、2006年に上梓され、2008年には、NHKが「神聖喜劇ふた…

「石ふしぎ大発見展 第23回大阪ショー」の「宮沢賢治の鉱物・元素の世界」桜井弘先生の講演に触発されました

// 以前の記事に、「石ふしぎ大発見展 第23回大阪ショー」の「宮沢賢治の鉱物・元素の世界」桜井弘先生の講演の感想を書きました。 bluesoyaji.hatenablog.com その講演の内容がとても面白かったので、私も触発されて、宮沢賢治の作品の中から、岩石、鉱物、…

古典三千冊の読書で初めて文学について発言できる

// 大西巨人 「いつもそばに、本が」 朝日新聞 2001年2月4日 4月から転勤で、荷物の整理をしていると、クリアファイルに挟まれて新聞記事のコピーが3枚出てきた。 1枚目は、大西巨人の横顔写真と「古典千冊3回読め」と菊池寛 という見出し。 記事…

気になった言葉 「滅びるね」「はっきり言うのは、駄目なんです」最近の読書より

// 青空文庫 『三四郎』夏目漱石 http://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/794_14946.html ―あなたは東京がはじめてなら、まだ富士山を見たことがないでしょう。今に見えるから御覧なさい。あれが日本一の名物だ。あれよりほかに自慢するものは何もない…

国公立大学二次試験 東京大学 藤原新也 「ある風来猫の短い生涯について」2015年 大学入試 前期 文科

// 若い頃、よく読んだ藤原新也が東京大学の入学試験に出題されていたので、久しぶりに読んでみました。 2015年 東京大学 前期 文科 藤原新也 「ある風来猫の短い生涯について」 河合塾のサイトで読めます http://kaisoku.kawai-juku.ac.jp/nyushi/honshi/15…

国公立大学二次試験 山本周五郎の小説が金沢大学の入試に出題されていたので読んでみた 2017年 金沢大学 人間社会学域 国語

// 2017年 金沢大学 人間社会学域 入学試験問題 国語 「民衆という幻像」渡辺京二 筑摩書房 山本周五郎の小説を取り上げ、義理を論じた文章。周五郎を題材にする評論は珍しいので、読んでみました。 http://nyushi.nikkei.co.jp/honshi/17/kn1-31p.pdf …

サン=テグジュペリの最期について書かれた本 「星の王子さまが眠る海」を紹介します

// 国立大学の医学部入試にも出題された「夜間飛行」 その作者のサン=テグジュペリは、第二次世界大戦中の1944年7月31日、偵察機で任務に出撃し、帰りませんでした。 その死は謎のままで、ドイツ軍の戦闘機に撃墜された、故障のため墜落した、急病のせいだな…

国公立大学二次試験 山形大学医学部 2015年 大学入試問題 「夜間飛行」サン=テグジュペリ

// サン=テグジュペリの「夜間飛行」は、1931年にパリで出版された小説である。 山形大学医学部の2015年大学入試 国語の問題で「夜間飛行」が出題されたので、考えてみた。 なお、問題文は、新潮文庫 堀口大学訳の文章。おそらく著作権の関係でネットに…

国語教師が勧める小説 夏目漱石「夢十夜」と上田秋成「青頭巾」

// 夏目漱石「夢十夜」と上田秋成「青頭巾」 夏目漱石「夢十夜」第一夜 第一夜は、男が女との約束を待ち続ける話。百年待てば、会いに来るという女の言葉を信じて男は墓石の前で座り続けます。 青空文庫から引用します。 http://www.aozora.gr.jp/cards/0001…

国公立大学二次試験 2017年 広島大学 入試問題 国語 「ブラジルおじいの酒」目取真俊 を読んで考えた

// 2017年 広島大学 入試問題 国語 小説 「ブラジルおじいの酒」目取真俊 河合塾のサイト http://kaisoku.kawai-juku.ac.jp/nyushi/honshi/17/hr1.html 近所に一人で住む「おじい」と小学4年生の「ぼく」との交流が描かれている。初めは友だちと「おじい」の…

国公立大学二次試験 2017年 大阪大学 入試問題 文学部 国語 小説 島尾敏雄 「魚雷艇学生」を読んで考えた

// 2017年 大阪大学 入試問題 文学部 国語 小説 島尾敏雄 『魚雷艇学生』 http://nyushi.nikkei.co.jp/honshi/17/ha1-31p.pdf 分析や解答例は河合塾のサイトでどうぞ。 河合塾(総合教育機関・予備校)/ 2017年度国公立大二次試験・私立大入試解答速報http:/…

国公立大学二次試験 2017年 京都大学 入試問題 国語 理系 「私」をつくる 近代小説の試み を読んで考えた

// 2017年 京都大学 入試問題 国語 理系 「私」をつくる 近代小説の試み 岩波新書(新赤版) 15722015年11月20日第1刷発行著者 安藤宏 問題文は第3章「あなた」をつくる からの引用で、二葉亭四迷が話し言葉で小説を書くことを迷っていたというエピソードに…

『夏目漱石』十川信介著 岩波新書 を読んで

// 『夏目漱石』十川信介著 岩波新書 ロンドン留学中の漱石は、下宿の部屋にこもり、勉強ばかりしていた。そのためか精神が不安定になったが、その危機を克服したのは、なんと自転車に乗ることだった! 自転車に乗る女主人のミス・リールの勧めで、漱石は自…

『夏目漱石』十川信介著 岩波新書 を読んで考えた

// 『夏目漱石』を読んで、気になった箇所を引用する。(一部表記を変えています) 彼は続いて十一年四月には市谷上等小学第八級を卒業、同じ年の十月には神田猿楽町にあった錦華学校小学尋常科第二級後期を卒業するというスピードぶりである。これは当時の学…